マナーうんちく話535≪五風十雨≫
年末年始は大切な行事が沢山あります。なにしろ神様をお迎えするわけですから、その準備も大変です。
●おもてなしの基本は先ず掃除から
既にお済みになられた方も多いと思いますが、新しい年を迎える準備の年末大掃除です。この一年間に溜まったごみを片付け、ほこりを払い、新年を迎える心の準備をします。
●門松
正月には神様がそれぞれの家にお帰りになるわけですが、その目印になるのが「門松」です。「松」=「待つ」で、神を待つ木になったといわれております。12月26日・27日・28日・30日に立て、1月6日の夕方から7日にかけて納めるのが一般的です。
元旦から7日までを「松の内」というのは、門松が有る期間だからです。
●3ヶ日に「してはいけないこと」
今ではあまりこだわる方も少なくなりましたが、毎日家事に追われる主婦をねぎらうためにも、正月3ケ日にしてはいけないことが有ります。
・掃除は、折角幸せをもたらすために里帰りした神様を、追い払うことになるので、しない方がよいとされています。
・料理もしない方がいいですね。そのために「おせち料理」が有るわけですから・・・。
・掃除も、いつ年始のお客さんが来るかわからないので控えます。
・正月はもちろん「ハレ」の日ですから、お墓参りもミスマッチです。
●初日の出
一年で最初の日の出を「初日の出」と言いますが、どこで見なければいけないという決まりは有りません。要は天気次第ですね。ちなみに、年末旅行等で「御来光(ごらいこう)」ツアー等が人気を得ていますが、この言葉は、亡くなった人をあの世に導く仏様の「ご来迎」に合わせたものです。
●初詣
元旦には、地域にある氏神様に、一年の無病息災を祈願するためにおまいりします。遅くとも松の内におまいりするのがお勧めです。それから縁結びを望むなら縁結びの神社へ、受験を控えておれば合格祈願の神社へおまいりすればいいでしょう。
ちなみに現在のように有名神社に参拝するようになったのは、江戸時代に生活にゆとりが出るようになってからで、さらに明治に入り交通機関が発達して、一気に拍車がかかりました。また、初詣の際は、前年の破魔矢やお札等は神社に納め、新しいものを頂き神棚が有ればそこに、なければ高い所に飾って下さい。
●年始回り
年始回りは、基本的に松の内に済ませれば結構です。但し元旦は避けます。改まって予約を入れませんが、その代わり玄関先で済ませます。上がるように勧められたらそれに甘えられたらよいと思いますが、早めにお帰り下さい。予約をしていませんので、相手が不在の可能性も多々あります。その場合は名刺の右肩に「賀正」「謹賀新年」等の賀詞を書き、日時を記入しておきます。訪問する際の手土産ですが、お歳暮を送っている場合は基本的には不要です。お歳暮を送っていない時はお歳暮程度の物で、表書きは「お年賀」です。
●お年玉
本来は神様にお供えした供物を神事に参列した者(主として年長者や世話役)が皆で分けあい、さらにそれを村に持ち帰り、おすそ分けしたものです。従って、お年玉は、目上の者が目下の者に与えるものです。例えば親から子、年長者から年少者、社長から社員等です。