マナーうんちく話146≪女性は本当に強くなったの?≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:結婚のマナー

【冠婚葬祭の知識とマナー24】 男性はおとなしく、女性は前向きになってきた!

戦後強くなったもの「女と靴下」。
若い方はご存知ないと思いますが、50歳以上の方にはお馴染みの言葉です。
先ず、この言葉の意味を解説しておきます。

戦前の靴下は綿や絹で出来ていたので、とても弱かったようです。
これは、どこの国も同じ事情でしたが、やがてアメリカで「ナイロン」が発明され、日本には敗戦と同時に、アメリカの進駐軍により、ナイロン製の非常に強いストッキングが入ってきました。

一方、すでにお話ししましたように、戦前は「家父長制度」のもと、女性としての存在感は、「良妻賢母」に象徴されるように、夫を支え子育てに勤しむことが主でした。しかし、戦争が終結し、新たな時代が到来すると、女性の権利は大幅に広がり、自己主張したり、多彩な活動の機会が増えてきました。女性の社会進出が活発になったということですね。

言葉の成り立ちは以上ですが、では何故、靴下と女性を比べたのでしょうか?

昭和20年代の終わり頃、何もかも大きく変わる中、女性は特に大きく変貌し、それまで男尊女卑の風潮で過ごしてきた男性が、日本の将来を見据えて、身近な物に例えて発した言葉だと思います。
今となっては、この予測、ものの見事に的中していると思います。

しかし、今日のように、男性が人は良いけど弱弱しく頼りなくなり、逆にそんな男性を女性がリードするような時代になるとは、多分、当時の男性も想定外だったと思います。


ホテルでブライダルの仕事に携わって40年位になります。
結婚披露宴で、新郎新婦を高砂の席まで先導する時のことです。司会者が新郎新婦の入場を告げると、新郎新婦は大変緊張します。この時通常は、新郎が新婦を優しくエスコートするのですが、10年位前からでしょうか?新郎が新婦に励まされる場面が増えてきたような気がします。

記念写真撮影の時もそうです。昔は、緊張の中にも新郎は凛としていましたが、今は、そのような新郎はめっきり少なくなった気がします。

このような例はまだあります。
新郎新婦が交際を始めるに当たり、以前は殆どの場合、新郎が新婦に交際をお願いしたわけですが、今は逆のケースも珍しくなりました。

また、お見合いをお世話した時も、以前は女性が常に一歩引いていましたが、今は女性の後をいく男性も結構見かけます。

以上のように、いざという場面で、しり込みをする男性が増えてきたことは歪めない事実のように感じます。
一方、自立して、しっかり自己主張する女性は大変増えてきたようですね。
しかし、少なくとも私は、「マナーうんちく話144」で取り上げた、「肉食という表現がふさわしい女性」にはあまり出あいません。
さらに6-7年くらい前から「女磨き講座」「自分磨き講座」「マナー講座」等をあちらこちらで開催していますけど、ここでも肉食系の女性は見かけません。むしろ、何事にも前向きで、温和で、聡明な女性が多いように思えます。

さらに中高年齢者を対象にした「生きがい創り」「老い支度・しまい支度」等の講演・講座も熱心に取り組んでいますが、いずれも参加者の8割から9割は女性です。中高年齢者も女性が何かと前向きですね。

結論です。
私の感覚では、最近の男性を「草食系」と表現することは的確に的を射ていると思いますが、「肉食系の女性」は岡山では少ないのではないでしょうか?都会の事情は解りません。

私は、やはり男性には「肉食系」になってもらった方がいいと思います。
そして「レディーファースト心」を大いに発揮してもらいたいものです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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