マナーうんちく話95≪幸せのテーブルマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

マナーうんちく話95《幸せのテーブルマナー》

食事のマナー20、「見習いたい洋食のテーブルマナー」

これまでは、和食のマナーについて解説してきましたが、今回から洋食のマナーについてお話を進めます。和食には精神文化を始め、世界に誇る礼儀・作法が多く存在しますが、それを充分に発揮できてないような気がします。また日本は、食の「安心・安全」には非常に敏感ですが、食を「楽しむこと」はとても苦手なようです。
西欧に学ぶことが多々あります。
私は、互いの良いところを融合させたら、さらにハッピーな暮らしが実現できるのではないかと考えております。


ところで、今、日本が、西欧諸国から一番見習いたいことは、「共に食卓を囲む大切さ」だと思います。家族が共に食卓を囲む大切さについては、何度も触れてきましたので、今さら詳しい説明は省略しますが、今の日本では、あまりにもこの点がお粗末だと痛感しています。勿論、そうしたくてもできない理由が、多く存在するのも事実です。

食べるために働いているのに、その食べるという行為に、無頓着すぎる気がします。
この点、西欧諸国では、「家族が共に食卓を囲むこと」と「食事を楽しむこと」をとても大切にしていますね。この2点は大いに見習いたいところです。

2009年に、国際宇宙ステーションのロシア人船長は、常にスタッフに、「どんなに仕事が忙しくても三度・三度の食事だけは皆で共にしよう!」と言い続けたそうです。
まさに、この精神ですね。

日本は、バブル全盛期の頃、便利さや物質的な豊かさを求め、多くのモノを犠牲にしながら懸命に働いてきました。「エコノミックアニマル(企業戦士)」と言う言葉も生まれました。私も企業戦士の一員だったと思います。
その結果、日本は素晴らしい発展を遂げ、世界中から注目されるようになってきたことは承知の通りです。飽食の国にもなりました。
得た者も多かったですが、失ったものも半端ではないような気がします。

中でも、仕事のために、家族が揃って、食事を共にする機会がめっきり少なくなりました。
私は団塊世代ですが、私たちが育ち盛りの頃は、家族揃って食卓を囲む回数は平均850回前後だったのが、現在は300回あるかどうかだそうです。
その結果、多くの矛盾が生じました。
夫婦や家族間において会話がなくなりました。離婚が増えました。子どものコミュニケーション能力が衰えました。挙句の果てには、なにもかも絆が失われ、「無縁社会」の言葉が生まれてきました。

私は、学生の就職面接指導も熱心に取り組んでいますが、会話が苦手な学生が目立って増えてきた感じがします。特に、挨拶や食事を共にする事がない家庭に、そのような学生が多い気がします。これでは、就職は難しいです。恋愛もそうです。

日本のみならず、西欧諸国も、近年大いに発展しましたが、これらの国は、「家族揃っての食事」まで、犠牲にしなかったですね。
ここが日本と大きく異なると思います。「スローフード運動」しかりです。
スローフードの理念は、地域の農業や伝統食を守ると当時に、「どんなに忙しくても食事くらいはゆっくり、皆で一緒にしよう」と言う考え方があるようです。時代の最先端を行く、国際宇宙ステーションの仕事にも、この考え方が生きているようですね。

西欧の「皆で共に食する」「食を楽しむ」と言う考え方と、日本の「感謝の心で食す」「美しく食す」という考え方が融合すれば、まさに鬼に金棒で、ハッピーライフ創造への一番の近道になるのではないでしょうか?






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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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