マナーうんちく話22≪「客」になった時のマナー≫
マナーうんちく話25《もてなしのマナー》
もてなしのポイントは、客人を気持ちよくお迎えすることです。
さりげなく、最高の心遣いをすることが大切です。相手の負担になってはいけません。
①客人を迎えるに当たって
客人から予約が入ったら、都合のよい日時をキチンと伝えることです。周囲の人たちにも、どんな人が、どういう目的で、何時頃来るということを伝えておくことも必要です。
②客人を迎えるための準備
ポイントは、どのようにしたら客人に快く感じてもらえるかです。きれいに掃除をしておくことが大前提です。特に玄関は家全体の第一印象を決定するので特に念入りに。さらに客室・トイレ・清潔なスリッパ・和室だったら座布団にも気を配りたいところです。季節の花はおもてなしの心をさりげなく表現するのでお勧めです。
③チャイムが鳴ったら
すぐに応対します。玄関にお招きして、「お待ちしていました」「いらっしゃいませ」と簡単な挨拶をします。特に雨降りの時は「雨の中わざわざお越しいただき・・」とねぎらいの言葉を添えます。これは好感を持たれます。コート類があれば「お預かりいたします」と言って預かります。上がるように勧めてスリッパを差し出し、客室へと案内します。もし客人の靴が気になってもここでは靴を揃えません。
④客室にて
客室では客人を上座に案内します。
手土産は遠慮なく感謝の言葉を述べて両手でいただきます。この手土産はそのままにせず、部屋を出る時に持って出て下さい。そして客人が帰るまでには中身を確かめてください。親しい間だったら、その場で開けて、その場でお礼をいっても結構です。
⑤茶菓の用意
客人を客室に案内して、キチンとした挨拶がすんだら茶菓を出します。
頂いた手土産がケーキや果物だったら、キレイに盛りつけ、お茶と一緒に出してもかまいません。菓子が先で左側に置きます。続いてお茶を右側に置きます。お茶のお代わりをする時には、「お代わりをお持ちします」と言って茶卓ごと下げます。
親しい間柄だったら目の前で注いでもOKです。茶卓に乗せたままではいたしません。
⑥客人が帰る時は、いったん引きとめるの?
客人が帰る時にいったん引きとめるのがマナーとされているようですが、本当にもう少しいてほしい客人は引きとめるのもいいですが、そうでなかったら無理に心にもないことを述べる必要はないと思います。自分の気持に忠実にされたらいいと思います。
⑦玄関まで案内する
玄関に案内し、預かっていたコート類を渡し、「どうぞこちらでお召になって下さい」といって着用を勧めます。別れの挨拶は手短にして、手土産のお礼を再度言います。
⑧見送り
客人にもよりますが、丁寧な見送りは基本的には敷地の限界まで出て、姿が見えなくなるまで見送ります。客人が途中で振り返る時が往々にしてあるので、それまではしばらく見送って下さい。高層ビルなどでは、エレベーターに乗り込むまで見送ります。
もてなしの仕方は大体以上ですが、ここで、もてなしの基本になるお茶について触れてみます。多分世界中でお茶を飲まない民族はないと思います。お茶の内容や飲み方等は様々でしょうが、いずれもそれなりの茶文化を形成しています。紅茶の文化、コーヒーの文化、日本茶の文化等などで、これらの共通点は「もてなしの心」です。
特に日本茶は、冬には温かい緑茶、夏は冷たい麦茶、ティータイムと食後といったように、季節や状況により温度や種類に工夫を凝らします。
《太閤・豊臣秀吉の一生をつづった伝記「太閤記」の一節を紹介します》
夏のある日、秀吉が狩りの途中に山寺を訪れた時、そこの小坊主から茶の接待を受けます。
小坊主は、最初は暑いさなかに飲むお茶だから、喉の渇きを鎮めるために、ぬるめの薄い茶を用意しました。ほどなくして今度は、少し濃いめの少し温かめの茶を供し、最後には濃い目でかなり温かいお茶を出したそうです。
この小坊主こそ後の石田三成です。
客人の状況に合わせ臨機応変に対応するということですね。
フランス料理のフルコースの最後には「デミタスコーヒー」が出されます。すなわち、食後だから、濃い目のコーヒーを、量を半分にして出すということです。
※フランス語でdemi-tasse(ドゥミタッス)で、demiは半分、tasseはコーヒーカップ。
最後に日本茶の適温について述べておきます。
番茶は熱湯、煎茶は70-80度位、玉露は60-70度位が目安です。