心理職と医療機関
第7回公認心理師試験が3月3日に実施されることは先日お伝えしました。
こちら
この第7回試験は、これからの公認心理師を占う上でとても重要な試験です。
周知の通り、第5回試験までが現任者が公認心理師を取るための試験と言ってもよいものでした。第6回試験は、正直目的がよくわからない試験でしたが、それはさておき、第7回からは状況が一変します。ここからは学部で単位を取って、大学院に進み、大学院の修了見込となった人が大半となる試験になります。つまり6年一貫教育を受けた人が、いよいよ公認心理師になるということです。国が方針を示し、教育機関がそれに沿い、養成された心理職の資格ということで年数を見れば、かなり長期間の教育を受けているわけですので、優秀な心理職を作りたいということなのだと思います。
一方で、この制度によって、社会人が公認心理師になることが容易ではなくなりました。私は、これはとても大きな問題だと考えています。
難所は公認心理師法第7条1受験資格です。
試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。 一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業し、かつ、同法に基づく大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者
この「大学において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業し、かつ、同法に基づく大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者」の「卒業し、かつ・・」の箇所がどうも・・・
この「かつ(且つ)」というのは難儀な言葉で、ネットの辞書をひいてみると
・二つの行為や事柄が並行して行われることを表す。
・ある事柄に他の事柄が加わることを表す。
・「その上」という意味で使われることがある。
・「追加して」という意味で使われることがある。
これから考えると、「並行して」ともあるし、「加わる」ともあるので、時間的先後関係は必ずしもない場合もあると思うのですが、問い合わせたら「常識的に大学の卒業と大学院の入学は時間的先後関係がある」とのことで、どうもこの見解で統一されてしまっているようです。私たちの常識では大学院を出てから大学に行くこともあるので、こだわる必要もないと思うのですが・・・
要は大学院を出てから学部の単位を取ってもいいと思っているのですが、現状ではそれはできないということのようです。
となると、大学に編入して最短4年を目指すというのが現実的ということになります。
くどいですが、私は先に大学院に行って、臨床心理士をとって、それから通信等で学部でゆっくり単位をとって公認心理師試験を受けるという仕組みの方が、大学にとっても心理職にとっても、セカンドキャリアを考える人にとっても、この少子化の時代、ウインウインの方法のはずなのですが。
となると、現時点で社会人の方は、選択は2つになります。
①大学院に行って、臨床心理士のみをとる。
②学部に編入して、その後大学院に進み、両資格、あるいは公認心理師のみをとる。
いずれが良いのかはもちろん人によって異なります。
10年先を考えると、両資格があった方がいいと思います。一方、2018年以来、臨床心理士の価値が現場で落ちたかと言われると、それはないと思います。臨床心理士の価値は今も高いままですし、大学の先生も臨床心理士のアイデンティティが強い先生の方が多いのは間違いありません。ただ、10年たつと変化してくることは予想されますが、その時に考えるべき事柄かなとも思います。
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