京都光華女子大学大学院インタビュー1
AIが出てきても心理職は食べていける
私たちは心理職大全を書くに当たって、多くの心理職者にインタビューをしてきました。私はわりと現場主義者ですので、生の声を常に重視しています。結果として、食べていけない、つまり仕事がない、という人には一人も出会いませんでした。わざわざ探せばいるかもしれませんが、たいていの人は大もうけはしていないものの、食べていけてはいるという回答が前提で話してくれました。もちろん、資格をもっていれば、その日から衣食住が足りるという類の資格や学歴ではありません。ただし、今時そんな資格は探す方が難しく、私が知る限りでは看護師くらいではないかと思います。弁護士でも食べていけない人はたくさんいますし、税理士も然りです。AIやchatGPTが我々の日常に当たり前にそばにいるようになると、不要とされる仕事や資格も増えるでしょうが、今のところ心理職は不要になるとは考えにくい資格です。もちろん、すでにchatGPTを使ったカウンセリングやセラピーに関する研究は進んでいます。しかし、頭が古いのかもしれませんが、この仕事は人間と人間にしかなし得ないものだと考えています。仏教もそうですが、やはり人間の実践が、仏教自体を育んできました。AIが出てきたとしても、それは補助的なものであって、仏教自体をのみ込んでしまうものにはならないと考えています。これは心理職にも当てはまると考えられます。
結局のところその人次第ということになりますが、なぜか、心理職はネガティブな情報が出回りやすいという印象があります。私は以前は、これは大学の先生がそのように言い過ぎていると考えていたのですが、実際にインタビューをしていくうちに、これは決してそうではないと、考えをあらためました。大学の先生の大半は、この資格にネガティブな印象はもっておらず、むしろどのように育てていけるかを真剣に考えておられる方が多かったと思います。
資格取得後のキャリアは早めに考えておきましょう
よく「大学院まで出たのに」というフレーズを見聞きします。日本にはいまだに学歴神話のようなものがあるのかもしれませんが、大学院に限らず、学部でも「入っただけ」「出ただけ」では何も意味をなしませんし、資格も「取っただけ」では意味をなしません。大学院に入ったこと、出たこと、資格を取ったことを意味あるものにするには、個々のスキルアップが必要になりますが、私自身は大学院は、自分が生涯スキルアップを重ねていくために必要だったと思いますし、今もその学歴(アカデミックレコードではなく勉強の経験史です)がその術を教えてくれます。
すなわち、大学院に入ってからの成長と出てからの成長と資格を取ってからの成長とその方法を提供してくれるのが、大学院であって、入っただけ、出ただけ、取っただけの人に仕事を与えてくれる場ではありませんし、実はそのように勘違いしている人は、少なくとも大学院に入る人には多くはありません。
これから心理系大学院を目指す方は、入ってから、出てから、資格を取ってから、成長できるであろう大学院を選んで受験するのが、将来につながっていくと考えられます。そのため、どのような方向性で将来について考えるのかが、むしろ重要です。
公認心理師にせよ、臨床心理士にせよ、カバーする範囲が広いのが特徴です。うまく活かすと、もっと仕事のチャンスも増えます。また産業の界隈ではまだまだ伸びる余地がありますので、私たちももっと仕事の創出に向けた動きをしていきたいと考えています。
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