大人のセカンドキャリアに向けた学び直し
目次
仕事を続けながら大学院受験はできるでしょうか?
京都コムニタスには社会人から、臨床心理士指定大学院に進むことを希望される方が多くおられます。これまでも多くの人が合格して大学院生活をおくり、臨床心理士になっていきました。最近は、公認心理師との関係で、大学院に進むことで公認心理師が遠ざかってしまうということもあり、社会人の方々が受験に慎重になっている傾向があります。それでもあえて、臨床心理士のみの資格取得を目指して大学院に進むという方もたくさん来られています。
社会人の方が臨床心理士指定大学院や公認心理師対応大学院を目指す場合、考え方としては二種類あります。一つは仕事を続けながら大学院に行くか、もう一つは辞めるか、です。一概にどちらがよいとは言えませんが、基本的に大学の考え方は仕事を辞めて、大学院に専念することが前提です。仕事を続けながら行ける大学院は、関西圏では佛教大学の通信課程か、放送大学になります。兵庫教育大学の夜間コースは、資格を取ることができなくなるようです。しかし、大学院に行くまでの受験勉強の過程では、仕事を続けたいと言われる方はたくさんおられます。仕事をしつつ、勉強をしつつ、家の用事をしつつ、受験までたどり着けるのか、という不安を持っておられる方は多いと思います。
結論としては、私たちとしっかり関わって、一人にならないこと、特に初動であきらめなければ十分にやっていけると考えています。
時間とお金はかかってしまいます
デメリットとしては、時間がかかりますので、3年計画くらいになるということでしょうか。先日も合格者が出ましたが、これまでも当塾には佛教大学の通信課程を出て、臨床心理士になった方はいます。しかし、中に入ってからの勉強は大変でした。だからスクーリングが近づいてくると、塾に来て、よく勉強をしていました。
仕事を続けながら、大学院に行くことに適した人というのは、研究をする際に自分のフィールドを持っている人です。例えば教師、医療関係者、警察等がそれに相当します。ここで難しいのが、研究は臨床心理学分野ということになりますので、それを外してはいけないということです。特に教師にありがちですが、臨床心理士をなぜか教師の下位資格に見立てて、教師という立場を崩さず臨床心理学を勉強しようとすると嫌われます。当然と言えば当然のことで、だったら教師のままでいてくださいと言われてしまいます。
だから、一見矛盾しているのですが、教師であっても、ついでに資格をとるのではなく、そのフィールドを活かして、アイデンティティを臨床心理士に切り替えておく必要があるのです。自分を臨床心理学という枠にはめ直してみる柔軟性が必要ということです。それができる人は、是非通信課程を目指すのがよいかと思います。
「遅れる」「ついていけない」は京都コムニタスではありません
京都コムニタスには社会人の方がたくさん来られますが、よく言われる不安として、「ついていけなかったらどうしよう」というものがあります。私は「授業についていく、遅れる」という言葉を塾をしている限り、使うことはありません。回答としては「ご心配かと思いますが、大丈夫ですよ」といった感じになります。私は何度も言ってきたことですが、塾や予備校にカリキュラムは不要だと考えています。特に私たちが手掛ける予備校は個別対応にこそ見せ場がありますので、むしろカリキュラムとは対極に位置します。カリキュラムは予備校側の都合であって、生徒側の都合ではありません。生徒の側から言えば、カリキュラムではなく、合格して、入学後やっていけるだけの力量がつくことの方が重要なはずです。カリキュラムをこなすことが大事ではありません。そこを理解していると、「授業に遅れる、ついていけない」ということは、そもそも重要ではありません。これは生徒の側が自ら「ついていけない」と感じるのではなく、予備校が「ついてこれていませんよ」と主張している時に生じる現象です。当塾では、余計な不安を与えない、解消するが基本的な考え方です。塾として、大切なことは、個々の生徒が、進学した先で十分やっていけるだけの力量を身につけられるだけの質と量を私たちコーチ陣と作り上げていくことです。
それでも学科は不安
京都コムニタスの塾生は、例年、生徒さんの半分くらいが社会人です。そして、この社会人の方々が、若い世代の良い見本になる場面によく出会います。たいていの場合、社会人はモチベーションが高く、目的が明確です。また、これまでの経験が研究計画などに活かせることも多く、受験に非常に有利と言えます。
社会人の方々が、受験に踏み出す際に不安思うことはいくつかあります。一番多いのはやはり学科です。現役の学生と比べて、学力に不安があり、劣ると感じるようです。私から見ると、それほど大差はないと思うのですが。当塾に来られた時には「英語が不安」「ついていけるかどうか不安」「周りに迷惑をかけないかが不安」といった不安を口にする方が多いと言えます。しかし、一定の時間をかけて、方法を間違えなければ、学科は合格ラインに乗ることは難しくはありません。
私に研究計画なんて作れるのだろうか?
研究計画の不安も多いです。どうやって作ればいいのかイメージがわかないという声をよく聞きます。しかし、これも、これまでの社会人経験を我々に細かく伝えてもらえれば確実に作れています。ただ、少し労力のいる作業ですので、その点は覚悟がいりますが、必ず良いものができると思います。
実際に大学院に入ってやっていけるのだろうか?
やはり大学院に入ってからの不安もあります。大学院にもよりますが、社会人を受け入れる際に「長期履修」という制度をとっているところもあります。これは、入学当初に3年(4年)計画で修了を目指す計画をたてることです。当塾の卒業生でもこの制度を利用している人は結構多くいます。これは社会人入試でなくとも適用されることの方が多いと言えます。
社会人入試を受けた方がいいのでしょうか?
実は社会人入試でメリットと言えるものは非常に少なく、英語の試験がないことがあるという程度でしょう。しかし、英語がないと、英語の苦手な社会人がたくさん集まり、倍率が上がってしまい、かえって難易度が上がってしまいます。昨年、京都文教大学の社会人入試はほとんど合格者が出ませんでした。それならば一般入試を受けた方が良い場合の方が多いのです。学力も当塾にいる数ヵ月で十分勝負できるくらいは身に付きます。見方を変えれば、様々な入試形態を受験できるということですので、むしろポジティブに見て良いと言えます。
ですので、当塾では社会人の方にも通常は一般入試を受けてもらっています。
結論
社会人の方が心理系大学院を受験して、臨床心理士や公認心理師の資格を取得したいと考えた場合、当塾のこれまでの経験値から言えば、
①社会人の方が仕事をしつつ、受験勉強をしても十分合格できています。
②塾についていくことができないということはありません。
③学科や研究計画の不安はありますが、私たちと関わり続けることと、適切な方法で進めていけば必ず形になり、合格ラインに届くと言えます。
④社会人は通信課程にすすみたいという方も多いですが、大学院に入っても、長期履修も含めて、様々な方法があります。私たちもフォローをしています。
⑤社会人入試より、一般で受けた方が合格しやすいことも多いので、どの受験形態を使うかは慎重に考えましょう。英語は勉強しておいた方がよいことは間違いありません。
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