京都光華女子大学大学院インタビュー2
当塾には社会人で臨床心理士を目指す方が多く来られます。社会人の方々は、非常に高い志を持っておられます。社会人入試をお考えの方で、予備校を探す方は多いと思います。一般に社会人の方は、年齢を気にされる方が多く、それが不利に働くため、学科を必死で勉強しないといけないが、ブランクがある上に、仕事や家事があり、思うように時間が取れない、といった不安が生じて、一歩踏み出せないということもあろうかと思います。
今の時代、40代は微妙な世代です。若手のようなそうでないような。団塊ジュニア世代はかなり人数が多いですので、本来はこの日本の生産活動の中心世代と言えます。だからこそ、自分の人生についてよく考える必要があります。
結論から言えば、心理職になること自体はまったく問題はありません。40代は多くの人にとって、人生の転換期であると同時にチャンスを拾い集め、次のステップにする時期でもあります。その意味で40代で臨床心理士の資格を志し、スキルアップをすることは意味がありますし、新しい人生を描くために有用な資格の一つと言えます。
40代でも心理職にはなれる
当塾では50代で臨床心理士になった人もたくさんおられますし、40代は珍しい年齢でもありません。昨年度も大学受験を控えた子どもさんと一緒に大学院受験を頑張って、4月から親子で学生になったという方もおられます。
また入学してからも、年齢が理由で不利益があったという話は聞いたことはありません。当塾の事例では、育児が一段落して、自分のキャリアアップを考えた時に、臨床心理士を目指そうと考える人、仕事上、どうしても臨床心理士の資格が必要になった人、自殺対策、不登校対策など、自分のライフワークを仕事にしたいと思った人、産業カウンセラーなど、いくつかカウンセラー資格はあるものの、やはりバリューの高い臨床心理士が欲しいと考えるようになった人、育児支援など、新たな志を持って仕事をしたいと考えるようになった人などなど、これまで40歳をこえてから、臨床心理士を目指した方の背景はたくさんあります。こういった背景は、大学側からしても一定の魅力がありますので、そこに磨きをかけておくことが重要です。
公認心理師を取りたいかどうかをまず考えましょう
基本的に現代社会では、年齢が不利益になる方が少ないと考えて良いと思われます。特に大学産業は少子化とどう向き合うかが、最大課題です。ここのところ、芸能人や元スポーツ選手が大学や大学院に入ったことがニュースになることが増えています。年齢よりも優秀な一芸の方が優先する時代に入ってきているということです。
ただし、心理職特有の問題は、公認心理師という心理の国家資格があるのに、学部の単位を取らないといけないため、社会人の方にとってはハードルが高いということです。この問題は、私も声をあげ続けていきたいと思いますが、社会人にとっては、大きな足かせです。時代に逆行していると思うのですが・・お偉い人たちにもう少し考えて欲しいと願います。いつも言っているのですが、学部の単位が不要とは言いません。せめて大学院を出てから、編入するという順番を認めて欲しいと願います。
社会人入試という方法を利用すべきか
関西圏で社会人に配慮のある入試を行っていると言える臨床心理士指定大学院としては、立命館大学や京都文教大学が主だったところかと思います。こういった学校は書類をたくさん書かねばなりませんので、早めの準備が必要です。特にキャリアデザインは重要かと思います。これはかなり練り込んだものを作りたいところです。大阪経済大学は社会人率が非常に高く、社会人を好んで合格させていると言えますし、大学側もその点は否定しません(肯定したわけではありませんが)。これから、大学院はもっと社会人を受け入れることが予想されます。思い立ったら、年齢を気にせず、すぐに行動を取る。これが最も大切なことです。
ただし、特に京都文教大学に言えることですが、最近社会人入試からの合格者がほとんどいません。インタビューをさせていただいた時にこのことについて伺ったのですが、社会人を取らないという意思はない、とのことでしたが、一方で、やはり研究能力がなければ、合格させるのは難しいとの見解も聞きました。特に自分の経験から、どうしても臨床心理士にならねばならないという考えに至った人は多く、援助対象も明確である場合が大半です。そのためか、社会人の方々は、臨床心理士になりたいという意図が明解であるため、モチベーションが高いことが特徴です。しかし、その思いと研究能力は必ずしも比例しないということは心にとどめておいてください。
この点は考慮に入れておく必要があります。
決して無謀な挑戦ではない
40代から臨床心理士を目指すのは無謀かどうかとよく聞かれます。社会人入試に限らず、一般入試でも十分合格はできますので、無謀ということはありません。当塾に来られる生徒さんのうち約半分は社会人の方です。40代以上の方もたくさんおられます。少なくとも臨床心理士の世界で、40代は高齢とは認識されていません。大学院を出ないといけない世界では40代は若手に入ります。仕事もほとんどの人が問題なく仕事についています。
ただし、厳しいケースもあります。塾生ではありませんが、知っている例で言えば、40代半ばで一度も就職したことがなく、生まれて初めて働こうと考えたのが臨床心理士ということがありました。きっかけは自分が心の問題を抱えつらい時に臨床心理士に助けてもらい、自分もなろうと思った・・というのはよくあるのですが、動機としては弱いので、より強い動機を考えておくほうが望ましいでしょう。これは必ずしも年齢の問題ではありませんが、より高齢の方がネガティブに捉えられがちです。
臨床心理士だけでいいか、公認心理師もとるべきか
社会人で、公認心理師の資格を取得しようと考えた場合、まず当塾にご相談いただけたらと思うのですが、それはさておき、まず、今年の段階で考えることは経過措置期間、すなわちGルートが終わったということです。
ここからは選択肢は二つです。
①学部で指定単位を取って卒業し、臨床心理士指定大学院か、公認心理師対応の大学院に入り、修了して、両資格の受験資格を得て、おそらく大学院在学中の3月に公認心理師試験を受け、10月に臨床心理士資格試験を受けて、資格を得る。
この場合、編入をすれば、最短で4年かかります。当塾で、聖徳大学の通信課程で学部の単位を2年で取り、このたび、大学院に合格された方がおられます。
②臨床心理士指定大学院に進み、臨床心理士のみ取得する。
私は2018年の段階で、公認心理師によって、臨床心理士はほどなく価値を失うと見ていましたが、結果、そんなことは全くなく、臨床心理士の価値は保たれたままです。これはとても重要なことです。だから、臨床心理士だけを取ることに意味がないということは全くないということです。
どの選択が正しいかは、人によります。ただ、例えば病院に就職したい、となると、これからは公認心理師は必須になると見るべきでしょう。スクールカウンセラーになりたいとするならば、公認心理師が必須かというとそうでもないと思われます。
少子化が加速し、どこも人手不足の時代になり、機械ではなく、人間にしかできない専門職の需要が高まっています。
結論
私の結論としては、
①40代の方は公認心理師が欲しいかどうかを検討し、必要な場合は編入を考えるのが妥当です。病院就職には公認心理師が必須になってくるでしょう。
②臨床心理士の価値は下がっていません。
③時間がかけられない方は、現時点では臨床心理士だけも、それほど問題はないと考えています。ただし、10年後はわかりませんので、動向は常に見ておく必要はあります。
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