第3回公認心理師試験過去問詳解が出ます
前回、公認心理師過去問詳解の最新版が出版されることをお知らせしました。私としては、この本は、それぞれの分野の専門家がかなりの手間をかけて問題を分析して、多くの参考文献を紹介しつつ、解説していますので、質の高さは是非誇りたいところです。また、試験後の解答再現から、正答率が出ているのも特徴です。目次は2種あり、問題番号順にテーマを付したものと、領域別に分類した体系目次があります。試験勉強に大いに資するものになっています。
また、公認心理師試験は、それ自体、うまく使うと、心理学未修者にとって勉強になることもたくさんあります。
例えば、2019年試験の問3、これは正答率が70%です。
20世紀前半の心理学の3大潮流とは、ゲシュタルト心理学、行動主義心理学ともう一つは何か、正しいものを一つ選べ。
①性格心理学
②精神分析学
③認知心理学
④発達心理学
⑤人間性心理学
正解は②ですが、②だけ「心理学」がついていません。ポイントの一つは20世紀で、難所は③大潮流です。「そんな言い方あるの?」という感じですが、19世紀の心理学から、発展したものです。やはりフロイト(父親の方)の時代と彼の研究はしっかり押さえておきたいことと、その時代がどうであったかは知識にいれておきたいことだということがわかります。
問4
普通教育に適する子どもとそうでない子どもを見分けるための検査法を最初に開発した人物は誰か、正しいものを選べ。
①A. Binet
②D. Wechsler
③E. Kreapelin
④F. Galton
⑤J. Piajet
正答率は74.9%です。おそらく心理学を専門とする人なら問3も問4も難しくないと思うのですが、それなりの数の人が間違えているところを見ると、選択肢の妙もあります。こういったシンプルな問題を落とすと、後から出てくる複雑な問題で不利になってしまいます。聞いたことある名前が並ぶと、例えばブループリントにはPiajetが出ていますから、「これだ」と選んでしまう人もいるかもしれません。問題文は「普通教育に適する子どもとそうでない子どもを見分けるための検査法を最初に開発した人物」ですから、かなりピンポイントです。正答は①ですが、これを覚えるだけではなく、他の選択肢も説明ができるようにしておくと、こういったシンプルな問題に対応することができるようになります。過去問詳解の解説はその意味でも勉強になります。
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