良い質問と良い回答を学びましょう

井上博文

井上博文

テーマ:実は知らない面接対策・集団討論対策

緊急事態宣言が延長されるそうです。私たちも含め、事業者にとってはデメリットの方が大きいですが、収束に向かって欲しいと願う気持ちはどの人も同じだろうと思います。だからこそ、こういった政治判断をする側は、科学的に責任を持って宣言して欲しいところですが、今の政治禍にはそれを期待するのは無理です。決して総理大臣だけの問題ではなく、与野党同じです。野党がコロナ収束に向けて明確なプランを提示したことはありませんし、ワクチンに対してもどんな考え方をしているのか、野党の誰がどんなルートでワクチンを入手しようとしているのかもプランがありません。オリンピックも同様で、政権と与党が言うこともやることも無茶苦茶ですが、野党は与党の答えを待つばかりで、仮に中止をした場合、どんな問題が生じるかを野党は指摘しませんし、その問題解決を買って出るわけでもありません。野党の変な党の変な政治禍が、系統の違う狢に「存在価値がない」といったそうですが、五十歩百歩どころか、五十歩が反対に向かった五十歩を笑う滑稽さでしかありません。壊滅的な人災です。

こういった人災を呼び起こす政治禍たちのトップが総理大臣なのかどうかはわかりませんが、この方も破綻した論理と言葉で、もはやコントにしか思えない記者会見になっています。

そもそも短期間の緊急事態宣言だったはずですが、「全力を尽くす」「あらゆる手段を尽くす」は、少なくとも面接では御法度です。何をするのかがわかりません。全力は尽くしたけれど、力が及ばなかったのなら、そう言うべきでしょう。一般人から見ても、全力を尽くしたようには見えませんから、力が及ばなかったとも思えません。やるべきことを定めることができず、どうしたらいいのかわからず、右往左往を「全力」でしていたと思われます。右往左往を「私自身が先頭に立って」やられると、当然ですが、皆が右往左往します。これを一般に「振り回される」と言います。

こんな人たちが質問に答えられるわけもないのですが、今回の質疑応答はひどいという言葉では表現できないレベルのものでした。
こちらから少し拾ってみます。
記者
 まず、解除の基準についてですけれども、我々は何を達成すれば解除となるのでしょうか。例えば仮にステージ3をクリアできなかった場合には延長ということになるのでしょうか。
 それと、オリパラについてです。この状況ですけれども、菅総理はやりたいと、できるとお考えになりますでしょうか。

総理大臣
 まず、宣言の解除であります。そのときの状況を総合的に考えた上で判断することとなります。
→「我々は何を達成すれば解除となるか」と聞いたのにいきなり答えていません。達成と関係がないならそう言わねばなりません。

ただ、今回はゴールデンウィークの短期集中、そして飲食の対策を強化して、お酒の提供を停止する、さらに人の流れを止めるために店舗や劇場の休業要請、こうしたあえて強い措置を講じるものであり、そうした前提で、まずは対策を徹底して結果を出したいと思います。

→これも主語がひっくり返っています。記者は「私たち=一般人」と聞いています。それに対して「結果を出したい」で閉めていますが、それは官邸の希望であって、質問に答えていません。

 オリパラに向けては、足元の感染拡大を静めることに、まずは全力で取り組みます。IOC(国際オリンピック委員会)は東京大会を開催することを、これは既に決定しています。IOCとして。そのことは各国のオリンピック委員会とも確認しております。政府としては東京都、組織委員会、IOC、しっかり連携を取って、安全安心の大会にすることができるように対策をしっかり講じてまいりたいと思います。

→これも記者は「この状況ですけれども、菅総理はやりたいと、できるとお考えになりますでしょうか」と聞いています。回答の主語が見えませんし、少なくとも総理大臣ではありません。ここから読み取れるのは、「もう決まっちゃってるし、引き返せないよ~」くらいでしょうかね。また「対策を講じる」と言っていますが、「講じる」と言う以上、まだ明確なものがなく、考えて実行するということです。講じるのは昨年、延期が決まった段階の話であって、今とこれからではありません。実はやる気がないなら、そう言うべきでしょう。

こんな調子でぐだぐだの会見が続きますが、質疑応答は面接と同じですので、これから受験をお考えの方は決してまねをしてはいけないということは理解しておかねばなりません。本当に、子どもには見せられないくらい教育に悪いので、政治禍のご飯論法や政府の記者会見は18禁にすべきです。面接や説明会で採用者が嫌う、9つのNG質問記事がありますが、是非、大学院受験や編入受験をお考えの方は参照してみてください。一応、質問に答える気のない政治禍の方々も見た方がいいでしょう。
最近、大学院受験でも「何か質問はありますか?」という問いが増えていることは、すでに何度か述べてきました。
面接で、質問はありますか?と問われたら何を聞けばいいですか?
面接対策で一番大切なことは質問力を磨くことです
私も必修の授業でこれに対する対策が必要と常に言っています。記事によると、最近は「逆質問集」というものもあるそうです。私たちが受験をしていた頃は、逆質問は基本的に御法度でした。面接は聞かれたことに答えれば良い、という不文律があったと思います。しかし、最近は、聞かれたことに答えることに加えて、突発的な対処力も見られることが増えており、さらに、逆質問の内容も問われるという、難題が増えています。質問力に関して、最近面白いなぁと思った本は、こちらです。


こういった本を参考にしつつ、質問力を磨くのはこれからの面接では必須と言えます。よく考えてみれば、カウンセラーも質問から始まります。質問に対する応答を見ていると、徐々に相手の問題が見えてくることが多いと思います。良い質問をすることはその意味で非常に重要です。
今回のこの記事は、それとは別の観点で、「良くない質問をしない」ことを述べてくれています。私の観点にはなかったものです。時代はこんな動いているんだとあらためて思わされました。これからは、良い質問をすることと、良くない質問をしないことの両輪で考える必要が生じることになるのでしょう。いずれにしても質問力は磨いておくことは必須です。


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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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