「最強の塾&予備校」?続
私の塾講師歴も30年に近づきつつあり、よくもまぁこんなに長く続けられたなぁと時々思う半面、まだまだ成長していかねばならないと、いまだにスキルアップを考えています。特にこのコロナ禍によって、社会が一変しましたが、私個人の印象では、最も影響を受けたのは教育の分野ではないかと思っています。ただし、ネガティブな影響だけではなく、ポジティブな影響もあれば、やり方次第でどうにでもなる、「新たな可能性」もたくさん生まれたと思います。特にオンラインの分野では、これまでの既成概念を大きく変えることができると思っています。どのように変わっていくかは稿をあらためます。
今年のコロナ禍において、私たちがまず考えたのが、塾生が塾に来ることができなくなる可能性があったので、ZOOMなどのオンライン授業の設置でした。当塾のスタッフは、私が言うのも何ですが、とても優秀で、塾長の毎度の無茶ぶりに必ず応えてくれ、形にしてくれます。すでに当塾の東日本統括さんは、東京で仕事をしていますので、オンライン上で仕事をする態勢は、実はコロナ以前からありました。幸い、ここ数年、辰巳さんと公認心理師試験対策講座を作って来ましたので、動画撮影能力や編集能力はありましたので、そのあたりの対応はスムーズでした。だからいわゆる緊急事態宣言がなされた自粛期間中も、講師も生徒も塾には来ず、塾のPCをマザーにして完全オンラインライブ授業もできましたし、塾の教室授業にPCとカメラを設置して、通常の授業にオンライン参加ができるという形もできましたし、欠席した人には、授業を収録しておいて、動画にして、それを当塾オリジナルのLMSにアップして、見てもらうという方法も行いました。特にLMSは有用でこれからの可能性を示してくれます。
その意味で、対応力はあったと思いますし、塾生にとってもとても便利になったと思いますし、事実そのような声はたくさんありました。さらにもうすぐ電子黒板を導入しますので、さららにクオリティの高い授業とオンラインの態勢ができると確信しています。
しかし、です。確かに便利になりました。いろいろな意味でわかりやすくなりました。しかし、果たして質が向上しているのかと、言われると、「今の品質をオンラインでお届けできます」というレベルなのかなと思います。より質の高い授業や塾での教育とは何かをもっと追求をしていかねばなりません。知恵を出していくのはこれからです。オンラインになると、塾講師の性ですが、できる限りわかりやすい授業をしたくなります。この「わかりやすい授業」というのが実はくせ者で、物事を簡単に言いすぎて、「わかったような気にさせる授業」にすり替わっているケースが多々あります。しかし、本来わかりやすい授業は、「わかりにくい授業」の対立概念にすぎず、決まったものは存在せず、基本的に受ける側の評価になりますが、提供する側としては、生徒が疑問を持って、自分でわからないところを解明しようとするところまでリードする授業です。特に大学以上の授業はそうでなければ意味をなしません。とりわけ今は「こうしておけばいい」だけを探しがちです。だから、間違った意味でわかりやすいと、解決してしまいますので、それ以上深く考えなくなります。これは「わかりやすい授業」ではありません。スマホでゲームをしているのとあまり違いはなく、筋トレにならないのです。筋トレは一定のストレスをかけ、その反発で筋肉が育つわけですが、「これだけ1分」みたいな筋トレや「これだけ食べて○○キロ痩せた」みたいなダイエットは、皆わかりやすいのです。ストレスがなさそうだから、安易にちょっとやってみて、満足して、すぐ忘れてしまいますから、結果につながっていきません。結果につなげようとする場合、一定の負荷をかけねばなりませんが、自分ですすんでその負荷をかけてみようと思うところまで引っ張るのが、わかりやすい授業です。しかし、オンラインの場合、その授業方式は確立されていません。私自身のこれからの課題でもあります。
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