公認心理師試験重要キーワード「ひきこもり」
公認心理師試験、ブループリントに、司法・犯罪分野に関する法律、制度という項目があります。その小項目に
刑法、少年法
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律<医療観察法>
犯罪被害者等基本法
保護観察制度
裁判員裁判
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約<ハーグ条約>
家庭裁判所、保護観察所、少年鑑別所、少年院、児童自立支援施設
更生保護施設、地域生活定着支援センター、自立援助ホーム、自立更生促進センター
とあります。
第2回公認心理師試験では
問55虞犯について、正しいものを2つ選べ。
①虞犯少年とは14歳以上の者をいう。
②虞犯少年は少年院送致の処分を受けることがある。
③虞犯という概念は少年に限らず、成人にも適用される。
④虞犯少年とは、将来罪を犯すおそれのある少年のことをいう。
⑤虞犯少年は児童相談所における措置は受けるが、家庭裁判所には送致されない。
この問題は2問正答を選ばねばならない問題です。またこの種の問題は複数の領域が重なります。これを「非行」「少年法」関連と見るならば、「19 司法・犯罪に関する心理学」の少年非行の分野とも言えます。
第1回試験
問99 少年事件の処理手続として、正しいものを1つ選べ。
① 14歳未満の触法少年であっても重大事件である場合は検察官送致となることがある。
② 14歳以上で16歳未満の犯罪少年は検察官送致とならない。
③ 16歳以上で故意に人を死亡させた事件の場合は、原則的に検察官送致となる。
④ 18歳未満の犯罪少年であっても重大事件を犯せば死刑になることがある。
⑤ 事案が軽微で少年法の適用が望ましい事件の場合は、20歳を超えても家庭裁判所で不処分を決定することができる。
これは③が正解です。
この分野を勉強するには、まずは、少年に対する刑事司法制度を覚えるのが妥当です。虞犯少年とか触法少年とかいった用語は、私自身、聞いたことはあるという程度でした。これは「少年法」が適用されます。
第一条 この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。
《改正》平20法071
(少年、成人、保護者)
第二条 この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。
2 この法律で「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に監護する者をいう。
現任者講習のテキストでも詳しく触れていましたが、まずは、「犯罪少年」がでますが、ここからどんな手続きがなされていくかを覚えることが大事です。
虞犯少年というキーワードは、現任者講習でも出ていましたが、実際に本試験でも出ました。
まず区別しないといけないのは、非行少年を三種にわけ、犯罪少年、触法少年、虞犯少年です。
少年法3条1項3号には次のように記されます。
一 罪を犯した少年
二 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
虞犯少年は、
三 次に掲げる事由があって、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家屋に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
ここは何から文言を変えて○か×を問いやすいところです。ここには飲酒、喫煙、深夜徘徊は含まれていないことも注意しておきたいところです。
また、虞犯少年については、警察官、または保護者は、児童福祉法による措置が適当とした場合は、少年を直接児童相談所に通告することができるとされています。
警察官又は保護者は、第三条第一項第三号に掲げる少年について、直接これを家庭裁判所に送致し、又は通告するよりも、先づ児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)による措置にゆだねるのが適当であると認めるときは、その少年を直接児童相談所に通告することができる。
次に触法少年は14歳未満で、刑罰法令に触れる行為をした少年です。14歳に満たない者は、刑事未成年者とされ、刑法では、刑事責任能力がないとされています。犯罪少年の事件では警察や検察で捜査が行われた後、非行事実が認められた場合にはたとえ軽微なものであっても必ず家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。また、触法少年や虞犯少年については児童相談所に送られた後に家庭裁判所へ送致されます。家庭裁判所では家庭裁判所調査官による調査や裁判官による審議がなされ、心身の鑑別が必要であると判断された少年は少年鑑別所に収容され、医学や心理学の専門的知識に基づいた調査を受けます(少年院法第16条)。家庭裁判所は、非行事実と要保護性から少年院送致、児童自立支援施設等送致、保護観察所による保護観察の保護処分の決定を行います。また、審判を開かずに終局する審判不開始、審判をするが処分はしない不処分、児童福祉上の措置が望ましい場合の知事または児童相談所長送致の決定も行います。刑事裁判による処罰が相当であると判断された場合、事件は家庭裁判所から検察官に送致されます(逆送、少年法20条1項)。とりわけ、少年が16歳以上で、故意に被害者を死亡させた場合は原則として検察官に逆送されます(原則逆送、少年法20条2項)。
次に少年鑑別所は法務省の定義によると、
(1)家庭裁判所の求めに応じ、鑑別対象者の鑑別を行うこと
(2)観護の措置が執られて少年鑑別所に収容される者等に対し、健全な育成のための支援を含む観護処遇を行うこと
(3)地域社会における非行及び犯罪の防止に関する援助を行うことを業務とする法務省所管の施設です。
昭和24年の少年法及び少年院法の施行により発足し、現在は平成27年に施行された少年鑑別所法(平成26年法律第59号)に基づいて業務を行っています。各都道府県庁所在地など、全国で52か所(分所1か所を含む。)に設置されています。非行少年の処遇の流れを当塾の教材で使用されている図を引用すると、
まず、非行少年による犯罪は全て家庭裁判所に送致されます。家庭裁判所は改めて事件や非行少年について調査を行い、処分について審議します。その際、家庭裁判所が少年の鑑別が必要であると判断した場合には、少年を少年鑑別所に収監し、そこで専門的な調査が実施されます。
また、刑事裁判に相当する重大な事件については成人犯罪者と同様の手続きによって量刑の決定がなされます。
ここからが重要だと私は思うのですが、
裁判によって処分の決定が行われると、「少年院」や「少年刑務所」「保護観察所」で治療や矯正、更生教育がなされる。非行少年の処遇では、少年法に基づいて、少年の矯正、環境の整備などを行うことで少年の健全育成を目指す保護処分が優先的に適用されます。
少年鑑別所と、「少年院」や「少年刑務所」「保護観察所」などの施設の区別を説明できるようにしておきましょう。
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