公認心理師試験重要キーワード 認知行動療法
第2回公認心理師試験、問9
ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることを何というか、正しいものを1つ選べ。
①馴化
②消去
③般化
④シェイピング
⑤オペラント水準
学習言語心理学の問題で、古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)の知識を要します。私を含む一般人は学習と聞くと、学校や塾の勉強を意味しますが、この場合、必ずしもそうではなく経験などを通して行動やその方法を変えること、くらいの理解が妥当です。正答は③です。正答率は90.3%でしたので簡単だったのかもしれません。この問題はブループリント準拠問題で、般化だけではなく、馴化や消去など、条件づけに関する重要ワードがたくさん出ていますから、形を変えて第3回試験でも出る可能性は大です。
馴化は文字通り馴れですから、うるさい音の中で勉強していてもそのうち馴れることくらいのイメージです。脱馴化は、一度慣れても、また、違う騒音が入ると、また元の騒音が気になることくらいのイメージです。
②の消去はオペラント条件づけにも古典的条件づけにもあり、オペラント条件づけの場合、強化子になっているものを与えなくすることで、徐々に行動が減ることです。般化が消えていくことと言えそうです。よく知られている犬の例で(心の声を)言うなら、「いままでブザーが鳴ったらエサがあったから、ブザーを聞いたらよだれが出てきたのに、今はブザーが鳴ってもエサがないやん。でももう一回待ってみよう。待ったけど、ブザーだけでエサ出てきてないやん・・もう出てこんな」と言った感じでしょうか。そうしているうちにブザーという刺激が消えていくことです。
③般化は問題文通りでしょうが、問題文では「他の刺激」となっていますが、一般的には「類似の刺激」です。私は小さい頃、親に連れられてホテルにいる時に見知らぬ白人男性にあやしてもらったと思うのですが、私は怖かったのか全力で泣いたそうです。ほとんど泣かない子どもの私が泣いたことは親にもインパクトが大きかったらしく、よく覚えられている逸話ですが、その後、白人男性を見たらそれだけでよく泣いていたそうです。失礼な話ですが、多分般化です。いつ消去されたかは知りません。
条件づけの問題は北海道試験でも、問39
オペラント条件づけで、逃避学習や回避学習を最も成立させやすいものとして、正しいものを1つ選べ。
という問題が出ました。こちらの問題は見たままですが、オペラント条件づけ(道具的条件づけ)について問われたもので、このオペラント条件づけについても、いくらでも問題が作れそうです。模擬試験にも出していますので、これについては、問題を解くだけではなく、体系だった知識を習得するように心がけたいところです。ブループリントでは
8 学習及び言語(1)人の行動が変化する過程の小項目に古典的条件づけともにオペラント条件づけが出ています。もちろん、現任者講習テキストにも学習・言語の項目にあります。 古典的条件付けとセットで正確な知識を仕入れておくのが妥当です。
この問題の選択肢は以下の通りで正解は④になっています。
① 正の罰
② 負の罰
③ 正の強化
④ 負の強化
先述しましたが、この問題のポイントは選択肢にはなく、問題文中の逃避学習、回避学習にあります。当塾の解説チームによると、負の強化は「生体に嫌悪刺激を与え、決められた逃避反応をすると嫌悪刺激を除去する訓練」とされます。不安でしょうがないときに、何らかの薬を飲んで、それが軽減するという例が妥当です。もちろん、他の3つの選択肢も説明ができるようにしておきましょう。
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