公認心理師試験と日本語力
北海道試験問76
72歳の男性A。76歳の妻Bと二人暮らしである。Bは2年前にAlzheimer型認知症の診断を受け、現在は要介護3の状態である。Aはもともと家事が得意であり、介護保険サービスを利用することなく在宅で介護していた。Aには、Bに苦労をかけたことが認知症の原因だという思いがあり、限界が来るまで自分で介護したいと強く望んでいる。最近Bが汚れた下着を隠すようになり、それを指摘してもBは認めようとしない。Aは時々かっとなって手が出てしまいそうになるが、何とか自分を抑えてきた。Bの主治医から依頼を受けた公認心理師の行うべき支援として、適切なものを2つ選べ。
認知症に関わる問題は、9月9日試験も含めてたくさんでました。これからの公認心理師像を考える上で、この出題のされ方は意識しておくべきだと考えられます。まずキーワードから見ていくと、
72歳夫、76歳妻、二人暮らし、妻がアルツハイマー型認知症を発症。要介護3、介護保険サービスを使わず、自宅介護、夫は自責の念がある。妻は認知症を認めようとしない。夫は妻に怒りの感情が生じることがる。妻の主治医から公認心理師が依頼を受ける。行うべき支援。
➀ 介護負担軽減のためにBの施設入所を勧める。
② Aと定期的に面接を行い、心理負担を軽減する。
③ 虐待の可能性があるため、Bと分離する手続きを進める。
④ Bの主治医と相談し、Aの精神的安定のため投薬を依頼する。
⑤ Aの許可を得て、地域包括の介護支援専門員とともに負担軽減のためのケアプランを検討する。
また2問正答問題です。これは少しやっかいです。まず不適切から確実に見た方がいいでしょう。③は虐待の可能性は今のところあるとは言えません。④も主治医からの依頼で始まった話である以上、夫のこともある程度知っているでしょうし、現時点で投薬が必要な症状が出ている情報も見受けられません。
⑤は「Aの許可を得て」は間違いがありません。介護支援専門員とケアプランを検討するは間違いがないでしょうから、これは確定と見ていいでしょう。となると、①が消えます。したがって回答としては②と⑤と見るのが妥当でしょう。比較的簡単な問題です。公認心理師過去問詳解 2018年12月16日試験完全解説版によれば、正答率は②が92.4%⑤が95.1%ですので、実際に簡単な問題と見ていいでしょう。アルツハイマーという言葉は出ていたものの、正答にはほとんど関与しない問題でした。こういった問題もあるので、本試験では選択肢もしっかり見て、3点(今年もそうとは限らないまでも)を確実にとれるものは取りましょう。
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