公認心理師試験 事例問題対策⑤

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師試験対策

最近、よく大学の事務方から連絡をいただくのですが、今年の事例問題の配点は何点か、と問われます。しかし、残念ながら私にもわかりません。おそらく昨年とさほど変わらないと思うのですが。それでも事例の方が配点が高いのは確実だと思われます。事例問題は7割は切りたくないところです。

北海道試験問67 
14歳の女子A、中学2年生。Aの母親Bは、Aの不登校について相談するために、中学校のスクールカウンセラーを訪ねてきた。Aは、朝に体調不良を訴えて2週間ほど欠席が続くようになった。Bが理由を聞いてもAは話したがらず、原因についてわからない状態が続いていると、Bは家族での様子を説明した。学習の遅れも心配で、Aに対して登校を強く促す方が良いのか、黙って見守った方が良いのか判断がつかない。「担任教師の心証を悪くしたくないので、まずは担任教師に内緒で家庭訪問をしてAの気持ちを聴いてほしい」とBから依頼された。このときのスクールカウンセラーの対応として、最も適切なものを1つ選べ。

まず、キーワードは、中学生、不登校、母親が相談者、スクールカウンセラー、体調不良、原因は話さない、担任教師に内緒にしてほしい、家庭訪問をして気持ちを聞いて欲しい、など。


① Aが希望すれば家庭訪問について説明する。
② 管理職と相談して家庭訪問について検討する。
③ Aの様子を聴き、医療機関で検査や治療を受けるよう勧める。
④ 「心配しなくて大丈夫です。そのうち解決しますよ」と励まし面談を終了する。
⑤ 理由がはっきりしないのであれば、学校に行くよう促した方が良いと助言する。

まず論外は④と⑤です。③も医療機関にかかるべきかどうか、判断するには情報がなさすぎます。ということで①か②なのですが、ここは個人的にはわかりませんでした。この時点でこの問題全体のポイントは「家庭訪問」であることがわかります。そのため、スクールカウンセラーの家庭訪問について、詳しい知識が必要であることと、冷静に考えると、①は、説明するだけですので、訪問するともしないともわかりません。親はしてほしいと言っているという状況もあります。それをあわせて考えると、②が有力になります。当塾の解説によると、

文部科学省(2017)のSCの業務遂行に当たって配慮すべき事項では、家庭訪問の方法について、「SCの業務は、学校内におけるカウンセリング等が基本となるため、通常、家庭訪問は実施しない。ただし、児童生徒の指導上、校長が必要であると認める場合は、保護者の了解を得た上で、SCが家庭訪問を実施することは可能である。」としている。
とありますので、②が正答となります。典型的なマークシート問題でした。




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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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