公認心理師試験難問集 感情の諸理論
北海道試験問35
日本で戸籍上の性別が変更できる要件として、不適切なものを1つ選べ。
という問題が出ました。これは難問と見て良いと思います。公認心理師試験において難問の条件の一つは、ブループリントでは予測がつかない問題と言えます。また、公認心理師試験は法律の知識が不可欠ですが、ブループリントからでは予測が難しい法律を前提にした問題はやはり難しいと言えます。
今回の問題はブループリントでは、昨年も今年も変化のない箇所、大項目12 発達、(2)自己と他者の関係の在り方と心理的発達、小項目がジェンダーとセクシャリティ(性的指向、性自認)の箇所だろうと推測できますが、これだけではなかなか難しいと思います。選択肢は以下の通りで、解答は②となっています。問題は「不適切」を選びますので、あとは適切となります。何に照らして適切かが重要なポイントですが、この場合だと、やはり法律的な基準が必要ですから、法律の知識が問われています。知らなければ、勘と運頼みの問題になってしまいます。
① 生殖機能を欠くこと
② 年齢が 18 歳以上であること
③ 未成年の子どもがいないこと
④ 他の性別の性器の部分に似た外観を備えていること
⑤ 人以上の医師により性同一性障害と診断されていること
その法律は、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」第2条、第3条となります。
家庭裁判所は、性同一性障害者であって、以下の1~6までの要件のいずれにも該当する者について、性別の取扱い変更の審判をすることができる。
1.二人以上の医師により,性同一性障害であることが診断されていること
2.20歳以上であること
3.現に婚姻をしていないこと
4.現に未成年の子がいないこと
5.生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
6.他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること
要件2にある通り、年齢は20歳以上とされているため、選択肢②の「18歳」が間違いとなります。
あとは正しいのですが、1は「二人」・・迷いますね。家庭裁判所はブループリントでは司法犯罪のところに出てきますので、あまりこの問題と家庭裁判所の関連については、ブループリントは意識していないように思われます。いずれにせよ、これは法的な基準が問われる問題ですので、個人の主観が必ずしも尊重されるわけではありません。この問題に公認心理師がどのように向き合っていけば良いのかは、必ずしも明確ではありませんが、何らかの形で意識していかねばならない問題です。
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