いわゆるポスドク問題
「大学ランキング」学長からの評価1位は? という記事と学ばない人ほど「大学は役立たず」と言うという記事を併せて見ました。どちらも納得するものでした。国内の大学の評価で常に上位に来る大学は金沢工業大学であることは、大学に関わる仕事をしている人であるなら、もはや周知の事実です。私の知人、友人にも人事をしている人は多いのですが、彼らと話を聞くと、いつも「偏差値だけでは決まらない」と言います。最近は「大学で何を学んだか」をよく聞いていると言います。もちろん、それは学部の勉強にとどまるわけではありません。大学の勉強、学びを通して自分が何ができるようになったかを相手方は知りたいのです。
私の持論は、大学生のフリーエージェントですが、企業のスカウトマンももっと大学に入って、自分の目で学生を取っていくべきだと強く考えています。あるプロ野球のスカウトマンの漫画がありますが、彼らは、無数の尺度から獲得する選手を決めていきますし、そうやって目をかけて獲得していますから、入団してからもしっかり育てていきます。日本ハムのスカウトと育成は凄みがあります。もちろん、いくら手塩にかけて育てても、いずれは何らかの形で去って行くわけですから、次の人材の獲得に常に目を光らせておくのがスカウトマンの仕事です。箱根駅伝でもそうですが、監督は常にスカウティングに走り回っています。以前触れた『箱根0区を駆ける者たち』には、東海大学の昨年の舞台裏が詳しく書いてありますが、スカウトのされ方、入学の仕方でも選手のあり方、扱い方はかなり違いますし、性格を踏まえた部屋割り、考え方の尊重、否定、様々な要素が相まって結果につながるということをあらためて思い知らされました。人はそのすべての礎になりますので、指導者というのは、本当に重要な仕事だと思います。東海大学の監督の教え子は、卒業後、陸上界で一流になっている選手が多いことで知られています。マラソン日本記録保持者の大迫傑選手もその一人ですが、監督に言わせると「覚悟が違う」のだそうです。もちろん、大迫選手は今の時代の若者です。だから時代は関係なく、指導者が若者にプロのアスリートとしての覚悟を教えているのだと思います。
今、企業の指導者は、果たして、箱根駅伝の指導者と比べて、どれほどの努力をしているのだろうか。よくそんな疑問がわいてきます。また大学の教員は、自分たちの学生をスカウトしてきたわけでもありません。底引き網漁のように、大量にとった学生が、自主的ではない形で目の前に現れ、お互いモチベーションの上がらないまま、とくにその学生が将来どうなるか、その学生のために自分が何をすべきか、について興味をもって考えているのだろうか。そんな疑問は昔からあります。大学がプロフェッショナルを育成する場であるとするならばそれでいいと思います。しかし、本当にプロを育てる環境と状況になっているのかは、よく考えなければならないだろうと、この二つの記事を読んで強く思いました。
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