日本の大学の来し方行く末
地方創生大臣が、「学芸員はがん」と発言したとのニュースが出ました。
こちら
さらに「連中を一掃しないと」とまで言ったそうです。こういう政治家こそが一掃されないといけないと思うのですが・・この大臣、こんな発言をして、共感が得られるとでも思ったのかどうかはわかりませんが、軽率という類ではなく、あまりにも悪意に満ちた発言です。今の政府が、経済至上主義だから、大臣がこんな発言をするのかどうかはわかりませんが、日本特に京都に今大量にホテルが建設されていることは、こちらでも書きましたが、なぜ京都に多くの観光客が来るのかと言えば、多くの歴史的文化財があるからです。そんなことは誰でもわかる話です。だから文化庁は京都に来るはずです。その文化財は保護されて、お金をかけて保存するからこそ、観光政策が成り立っているのです。価値の高い文化財は、集客の力を持つのです。伊藤若冲展は東京国立博物館で何時間も並んだ人がいたと聞きます。奈良の正倉院展は常に長蛇の列です。
その文化財に「財」としての価値をつけるのは、紛れもなく専門教育を受けた専門家なのです。専門家がいなければ、その価値を誰も知ることなく、埋もれてしまうのです。特に学芸員の役割は大きいのです。彼らはこの国の資産を守っているのです。守ると簡単に言いますが、それには、多くの費用と知識が必要です。国宝に指定されているものは京都にはたくさんありますが、当然、国の宝なわけですから、その保護は国がするわけですし、それに沿った法律だってあるわけです。ちょうど熊本地震から一年がたちましたが、熊本城の修復には20年以上かかるとも言われます。それだけ過去の遺産を次代に残すことは容易ではないのです。学芸員は、今の時代だけのために文化財と向き合うのではありません。未来にできるだけ価値の高い状態で、この国の資産を引き継ごうとしているのです。その時代の学芸員が、多くの軋轢と闘いながら、保護しているのです。また、私は多くの学芸員を知っていますが、彼らは総じて、(薄給であるにも関わらず)探究心を持ち、誇りを持って、文化財と向き合い、保護のことも考えていますが、どうやって、その文化財を多くの人に見てもらうかを考えて知恵を絞っています。「がん」だの「一掃」だのといった悪意に満ちた発言は、許されざるものです。学芸員の頑張りこそが、今の観光ブームとホテル建設ラッシュを支えているのです。地方創世大臣というなら、むしろ学芸員に感謝して、地方に観光客を呼び込む可能性のある文化財を作ることを考えるのが優先順位として高いはずです。もう少し考えてほしいものです。
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