マイベストプロ京都
井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

不思議にたどりつくには面白いことが大切

2016年7月11日

テーマ:実は難しい研究計画作成方法

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

最近の若者に、私が感じている傾向は(これを言い出すとおっさん感満載になるのですが)、「良い子」が多いということです。大学で、授業中ほぼ全部寝ている人でも、個人で話すと、良い子です。言葉も丁寧です。見たことも、聞いたこともない人のことを「○○の方々」とか「いらっしゃる」とか言えます。素朴にえらいなぁと思うのですが、同時に思うのは、ギラギラ感が薄いと言いますか、「やってやる」という意識が希薄なようにも思います。研究は、どんどん突き詰めて「不思議」にたどり着くことが大切ですので、深く切り込む能力が必要です。深く切り込むというのは、疑問を連鎖させることに他なりません。例えば、受験における不安の相談を受けたとします(あくまで仮です)。
「不安で不安で仕方がありません」
「何が不安ですか?」
「試験が不安です」
「試験の何が不安ですか?」
「不合格になることが不安です」
この部分に一つ分岐点があります。不安の要素は不合格だけではなく、例えば「力を発揮できない」、「この学校に合格できた場合、他の学校を受験すべきかどうか」「一つしか受からない」「一つも受からない」などなど、かなりの数の「どうしよう」があります。相手方が「不合格になることが不安」ということを選択した場合、
「不合格になることの何が不安ですか?」
と切り込んで、
「どこにも行けなくなることが不安です」
とくれば
「どこにも行けなかったらどうなると思っていますか?」
とさらに切り込み、
「・・・・」
だいたい多くの人はここで沈黙します。むしろ、ここからが、本当の切り込み口で、私はここで、相手の感情を出させることを考えます。できたら笑わせたいです。
「髪の毛が抜けますか?」「溶けますか?」「暴れますか?」
こんな感じで聞きます。(全部実際に使ったことがあります)そうすると、多くの場合
くすっと笑ってくれるか、あるいは怒る人もいます。あるいは、考え込む人もいます。マジメな人は、マジメに、髪が抜けるかどうか考えてくれる人もいました。このあたりで、その人の感情と考え方が出てくることが多くあります。ここは千差万別で、私がこれを面白いと考えています。同じことを聞いても、人によって反応と言うことが異なるのです。不思議と言えば不思議です。面白いと言えば、面白くなります。この不思議が、突き詰めに大きく影響します。この突き詰めの過程がさらに面白くしてくれます。不思議はとくに近年では、ある程度深い場所にあります。自分で不思議に思えるまで、深く入り、見つけたら、その不思議を解明していく手続きを取る。研究者は死ぬまでこれの繰り返しです。


***************************

公式ホームページはこちら
大学院・大学編入受験専門塾 京都コムニタス
入塾説明会情報
ご質問・お問い合わせはこちら

京都コムニタス公式ブログ

自分磨きのための仏教
龍谷ミュージアム
仏教の魅力を伝えるプロ

REBT(論理療法)を学びたい方はこちら
日本人生哲学感情心理学会

この記事を書いたプロ

井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(株式会社コムニタス)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ京都
  3. 京都の出産・子育て・教育
  4. 京都の大学受験・共通テスト(センター試験)
  5. 井上博文
  6. コラム一覧
  7. 不思議にたどりつくには面白いことが大切

© My Best Pro