学生のうちにやっておけばよかったことは何ですか?
大学教育の退廃が言われたり、文系不要論が出されたり、大学教育受難の時代だと、私はつくづく思います。大学教育の最大の問題は、大学の先生、特に専任の先生が忙しすぎることです。この問題を何とかしない限り、日本の大学教育の向上はあり得ないと言い切れます。日本の大学や大学院の現状の制度のままだと、院生以外勉強時間や研究時間が確保できる人はほとんどいなくなります。大学院を終えると、研究者を目指す人は、非常勤講師になって、教育職を得ることが多いのですが(そこになれない人は今はおきます)、非常勤講師は、よくて一コマ月3万円ですので、院生よりも社会的弱者度は高いと思います。ヘタをすると生きていけなくなります。曲がりなりにも大学の先生になれたという喜びと誇りは、4月の給料を見た瞬間に霧散します。必死で生きていかねばならないのです。といっても、専任の教員になっても、会議、事務、雑務が教育、研究以外に山ほどあって、全く時間が取れないという状況におかれることになります。要するに、大学教員になると、研究ができなくなるというのが、この国の現状なのです。
先頃、京大の先生が、自らの年収を公開して話題になりました。こちらを参照ください。
このことに対する心ない声も多々あるそうですが、ここで述べられている背景等を鑑みれば、この先生のお伝えしたいことは、痛いほどわかります。この先生が訴えようとしたのはこの部分であって、非常勤をはじめとするあらゆる大学教育に関わる人の待遇の悪さです。日本最高峰の大学である京大の教授でも、こんなもので、以下の人たちの待遇の悪さはは推して知るべしです。決してこの先生は、自分の待遇に不満を訴えようとしたわけではありません。
また常勤(専任、特任)の教授でも安心できる環境ではなく、先日、山形大でも残念なことが起こりました。どんな理由があるのかは知りませんが、この教授しかできない仕事があるにも関わらず、雇い止めをするという現象が起きているようです。いつ、雇い止めをされるかわからない状態で、研究に専念できるとは思えません。そうでなくとも、研究不正が話題になったばかりですが、研究者の置かれたこの状況が生んだ悲劇と考える人は少なくないはずです。
国という名前のついた役所のお偉い人々は、大学改革というならば、まずは、先生を活かす方法を徹底議論すべきです。先生が活きなければ大学は大学の機能をどんどん失っていくのです。
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