いわゆるポスドク問題
アカデミックスキルとは、定義は様々でかなり広義の言葉でありますが、大雑把に言えば、学問をするための技術です。その意味で、日本語でいう「学術」の一端とも言えます。これは基本的には大学の学部で身につけることと考えるのが一般的です。大学に行くということにおいて、最も重要なことがこのアカデミックスキルを習得することと言っても過言ではありません。アカデミックスキルがどのようなものであるかについては、この本が参考になります。最近では大学も非常に優しくて、このアカデミックスキルに関する講義があるところも多く、講義教材として有名なのは北海道大学のものです。私も時々必修の授業で使っています。大学が学生に伝えるアカデミックスキルは、基本的には講義ノートのとり方、専門書などの「テキスト」の読み方、図書館・インターネットなどによる情報収集の方法、レポート・論文の書き方、研究発表などのプレゼンテーションの方法などといったところが一般的です。そうだとすると、これらを身につけて、それが何の役に立つのかということをちょっと考えてみると、このスキルが欲しくなるのではないかと思います。
大別すると、アカデミックスキルは、専門分野のみに用いられるもの、どの学問にも共通するもの、それと、最近よく言われ始めているのが学際的なもの、以上の3種と考えるのが妥当です。専門分野のみに用いられるものは、まず基本は、資料収集とその処理と読み方(解釈)に集約されます。例えば考古学には考古学の方法があるように、それぞれの分野における資料に物語らせる方法と言えばわかりやすいかと思います。
また、一方で、全分野に共通するアカデミックスキルというものもあります。基本姿勢とでも言うべきでしょうか。これまでも何度か触れてきましたが、「嘘をついて他人を誹謗中傷してはならない」「独自調査をしたと言いながら、その調査内容を示せない」「自分が嘘をつきながら、他人が嘘をついたと投影する」「自分の都合の良い資料の読み方しかできない」などなど、他にもありますが、こういったものは、まさに論外です。やってはならない典型です。また、客観的事実を提示すること、証拠に物語らせること、剽窃をしない、なども共通のアカデミックスキルです。
最後に学際的アカデミックスキルですが、これが重視されるのは心理学です。折衷・統合といった言い方もなされますが、心理学だけで物を言うというよりは、例えば経済学と統合する、医学と統合するなどといった方式が用いられます。立命館大学の対人援助学は、その最たるものと言えるでしょう。こういった学問分野に対する博士号で学術博士という学位もあります。大学院に行くと、学部の時以上にこのアカデミックスキルを確実に習得することが求められます。これはこれで職人です。手に職と言ってよい類です。せっかくですから是非身につけたいものです。
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