社会人が小論文を書くときのコツ

井上博文

井上博文

テーマ:社会人入試

京都コムニタスでは、特に「小論文」といった授業は設定していません。
必修の授業の一つのトピックとして取り扱っています。
書いてきてもらった小論文は、授業外で添削しています。

私自身、昔から小論文の授業をたくさんしてきました。
しかし、小論文ほど、良く言えば講師の独自性が出やすく、悪く言えば、無軌道になりやすい
授業もないかと思います。そのせいか、講師の教える技術に差が出過ぎます。
受ける側も何が良い授業で、何が悪い授業なのかの判断基準もありませんから
よくわからないまま授業時間中に小論文らしきものを書いて、「添削」だけがかえって来る。
これはあまり良いとは言えません。小論文を指導する側がしなければならないことは、
添削よりも、論文がどのようなもので、どのようにして情報を集め、どのようにそれを使い、
「情報提供」とは何であるのかを様々な方法で伝えることです。
最近はたくさん統計数字がありますから、それを収集してもらうこと、例えば出生率の数字は
どのような小論文の問題で使えるかの応用幅を教えることが重要です。
そしてそれは実際に書いてもらわって、その場で読みつつ、添削しつつ、対面で伝えないと
なかなか伝わりません。

それでは社会人の方々はどのような小論文を書くべきでしょうか。
社会人で小論文を課される場合、まずは、社会人経験を活かすことを考えるべきです。

自らの社会人経験の中で印象に残っている経験、出来事、疑問に思ったこと、
感動したことなどを、正確に言葉にし、それを情報として出すことが重要です。
この作業は事前に準備を要します。本番でいきなり作るのは至難の業です。
私たちはこの作業に力を注ぎます。

例えば看護大編入の場合ですと、やはり病院勤務経験を活かすことが求められます。
当塾の生徒の場合ですと、例えば、高齢者に対する看護経験を持っており、
抑制帯をどのようにしたら外すことができるかを、皆で話し合い、その病院独自の
管理システムを作成した経験を持っている方もおられました。
また、海外で、ターミナルケアを見てきた人もおられます。このような経験は実績とも
言えるもので、うまく使うと大変効果的です。このような経験と、現時点で公表されている
最新の数字を合わせる技術を持つと、すばらしい論文を作ることができます。

また、臨床心理学ですと、自殺対策に携わりたいという希望を持っておられた方の場合、
仕事というよりはボランティアで命の電話に携わっていた経験を持っていました。
このような経験も大変すばらしいものです。ボランティアもやればいいというものではなく
(やらないよりはいいですが)、やはりその経験を後に活かせるものであるならば、
小論文だけに限らず、様々な局面で使用することができます。

このように経験と数字をうまく合わせることに加えて、社会人経験で培った倫理観や志を
書くことも重要です。これは小論文だけではなく、研究計画や志望理由にも応用ができます。
このあたりを踏まえて文章を作る練習を積みましょう。


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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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