無駄と決めつけない、役に立つとも決めつけない

井上博文

井上博文

テーマ:大学院に行くメリット

国立大学の文系学部の危機についての関心が
高まっているようです。この問題について、
私もよく意見を求められます。
人文社会学系学問は必要です
文系学部の危機
とコラムを書きました。
国を名乗る役所の見解だと、文系よりも理系が
役に立つようです。しかし、当然ながら、何が、
誰の、どの部分に、いつ、どのように役に立つか、
など明確に言える人などいません。
これを安直に国を名乗る役所が決めることは
あってはならないことです。
国を名乗る役所が言わなければならないことは
文系を役に立たないと決めつけることではなく、
今ある資源をどう役立てるか、であるはずです。
こう考えると、文系でも理系でも、それぞれに
一長一短があるはずなのです。
もしも、文系再編を促すのであるならば、
明確な案を示すべきでしょう。金をちらつかせて、
踏み絵のごとく、すぐに役所の言う通り、再編案
を示したところもありますが、果たして、それこそ
何の役に立つのか、明確に基づいて計画された
ことなのでしょうか?疑問です。



この本は、一橋大学で非常勤講師を勤めつつ
芸人もするという異色の著者によるものです。
「ヘン」とは言いますが、決して貶むのではなく
そういったことに情熱を燃やす研究者に対して
一定の敬意を払っています。
実はこの種の本は、意外に多く、若い人には
是非読んでいただきたいと思っています。
入りたい大学に入って、やりたい研究をする。
これが最も大事なことなのですが、国を名乗る
役所がその選択肢を狭めるという、意味不明
な暴挙を行うことによって、こういった研究者の
情熱がそがれていくことにたいして、
より強い危惧を覚えます。
若者は多様な研究を見ることによって、
それこそ
「それ、何の役に立つの?」
と強い疑問を持って、その研究に触れてみると
その研究者の情熱にも触れることができます。
そうすると、役にたつとか、立たないとかは
小さなことで、役に立つ部分しか見えない
分野と出会うようになってきます。あるいは
どんな分野でも役に立てることはできるという
別の視点を得ることもできます。まだ何もしない
うちから文系は役に立たない、理系は役に立つ
と、わざわざバイアスをかける意図がわかりません。
決めつけをして、思い込みの強い若者を育てる
方針に、この国の役所は舵を切ったのでしょうか。

同じことを二回言いますが、強い危惧を
感じざるを得ません。



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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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