いわゆるポスドク問題
日経新聞の記事によると、大学教員の研究時間が減少し続けているそうです。
こちらを参照
これは文科省による2013年の調査結果ですが、全国の国公私立大の教授や准教授ら
教員計5652人が対象で、勤務時価の35%しか研究時間は取れていないとの記事です。
年々研究時間は減少しており、文科省は
「研究時間を確保できるよう、各大学に工夫してほしい」と言っているそうです。
おそらく、大半の大学の先生は、「どうやって?」と聞きたいところではないかと思います。
ただでさえ、大学教育がサービス業化してきており、学生の顔色をうかがった
大学運営を余儀なくされている現状の中、大学の改組、カリキュラムの改変、FD、
会議(1日に3つなど普通)、学部の改組、学科の改組、講義割り振り、生徒指導、
テスト作成、採点、教材作成、人事、云々・・・
このついでに研究というのが、今の大学の先生ではないかと思います。
せっかく専任になって、職を得ても、研究の時間が取れないというのは、全国の大学の
先生の苦悩ではないかと思います。
しかも、これが私立大学でなら、より厳しくなると言えます。もちろん全員に聞いたわけでは
ありませんが、おそらく、35%と聞いて、「そんなにないわ!」と言いたい先生が
圧倒的多数ではないかと思っています。私が知る限り、本を出したり、論文を精力的に
書いている先生をたまに見ると、もはや「超人」にしか見えません。こういった超人は、
多分24時間フルタイムで考えて、30%くらいの時間が確保できると考えているのでは
ないかと思います。研究活動は勤務でも労働でもないと考えている先生でないと
なかなか研究活動に時間が割ける時代ではなくなっているのかもしれません。
このような超人を基準に研究者のあり方を設定してしまうと、犠牲者ばかりが
出てしまいます。私も数名の超人を知っていますが、その先生方の身体の心配を
してしまいます。もちろん、プロである以上、超人であって当たり前なのかもしれませんが、
身体は生身ですので、その超人技で寿命が縮まったのではないかと思われる先生も
何人も見てきました。
また、これが非常勤講師であれば、もっと環境が厳しいわけですから、この国の
研究者で環境に恵まれていると考えている人は皆無なのではないかと思えてしまいます。
文科省は、調査を取るならば、「恵まれた研究環境」だと言う研究者から
アンケートなり聞き取りをしてみると良いと思います。何か良い方向性が見えるかもしれません。
大学の先生が「研究者」であり続けられる環境を作ることこそが、この国の研究の
未来を決めるはずです。そうなることで、昨年度大きな話題になった研究不正の問題も
かなり解消されると思います。
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