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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

心理職国家資格化問題ー公認心理師

2014年5月1日 公開 / 2015年5月1日更新

テーマ:臨床心理士になるには

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

4月25日付で日本臨床心理士会が会員向けに
資格問題情報を出しています。すでにいくつかのサイトやツイッター、
ブログなどで取り上げられていますので、ここでも少し触れてみます。

2005年に臨床心理士は国家資格になる流れになっていました。
いわゆる2資格1法案といわれたものでしたが、郵政解散で吹っ飛びました。
以来、なかなか国家資格にたどり着かない状態が続いていました。
しかし、昨年あたりから、臨床心理士の国家資格化ではなく
あらたな国家資格としての心理職という流れに変わりました。
事の良し悪しは何ともわかりかねますが、対人援助職としての心理職と
言えば、臨床心理士がそれに相当すると思いますので、新たな資格を
創設するというのは余程混乱が大きかったことと、政治の力が
大きく絡んでいることは想像に難くありません。

素朴に私が思うに、臨床心理士を国家資格に育てあげることが、
(例えば医療カリキュラムを導入するとか、時間が足りないなら
3年制にするとか)最も妥当なのではないかなぁと・・・

ただ、今回は臨床心理士の国家資格ではなく
「公認心理師法案要綱骨子(案)」というものが定まったということのようです。
まだ出たばかりですので、各方面の方々が分析されているようですが、
私が気になった点をいくつかあげてみますと、私たちにとっては
まずは、やはり受験資格です。

三 受験資格
試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ受けることができないこと。
① 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)及び大学院を卒業した者で、
その課程において主務大臣の指定する心理学等に関する科目を修めたもの
② 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)において主務大臣の指定する
心理学等に関する科目を修めて卒業し、かつ、第一の二①から④までに掲げる行為に
関わる施設であって主務省令で定めるものにおいて主務省令で定める期間以上の実務の
経験を有する者
③ 主務大臣が①及び②に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者

これは以前、ある大学の先生から、こうなるという予測として伺っていたものと
だいたい一致していますので、それほど驚きはなかったのですが、
ポイントは②の「心理学等に関する科目を修めたもの」です。
これはかなり幅広い解釈ができるように意識されている文言で、
学部で心理学を何らかの形で単位をとっておかなければならないということを
意味することは間違いありません。しかし、心理学部あるいは心理学科とは
言っていませんので、他学部でも心理学の単位を取ればよいと解釈できます。
だったら、大学院だけでもいいような気もしなくはありませんが。
でも、大学で心理学を取る人は多いですので、間口は広い方がいいと思います。

もう一つ気になったのは、
二 名称の使用制限
公認心理師でない者は、公認心理師の名称又は心理師という文字を用いた
名称を使用してはならないこと。

これはむしろ引っかかります。とりわけ「心理師」の名称です。漢字の問題でしょうか?
どことなく「臨床心理士」と区別しているかのような印象を与えられます。
私もREBT心理士を名乗っていますが、問題ないでしょうか?大丈夫だと思いますが。
どうも臨床心理士という資格はそのままにして、公認心理師というあらたな資格は
全く別物と言いたい雰囲気を感じます。
もちろん法案ですので、修正は多々あるかと思うのですが、多くの心理学関係者が
考えた一つの結晶でしょうから、これが良い方向に行くことを願っています。



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