自閉症と脳の働きの関係 ~自閉症は障害ではあるが、自閉障害ではなく症状なのはなぜか~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:自閉症の心理学・広汎性発達障害

症状や特徴によって様々ですが、自閉症の脳は物事を捉えてる範囲が広域なので
自分の思いを表現する時にどう表現すれば良いのか言葉のチョイスが難しく
なかなか言葉が出て来なかったり自分の思うように喋れなかったり(表現出来ず)
人が不快に感じるような事でもパッと発してしまうのです。

これがコミュニケーションが苦手な事に繋がってるんですね。

相手への気遣いよりも、まず自分の表現で一杯一杯なんです。
そこでつまずいてしまうのです。

悪気があってわざと言ってるのではありませんが
通常人はそんな相手の事情まではわかりませんし、相手の言ってる言葉でしか理解出来ず
言ってる本人も必ずしも自分で自覚出来ているわけではありません。

これは自閉症の人の脳の活動領域を調べればわかります。

通常音は聴覚野、視覚なら視覚野が働きますが
自閉症の脳では違う分野が働き、音を視覚で捉えたり言語野で捉えたりと
捉える感覚の領域が通常とは異なるわけです。

これが特殊な才能に繋がったりするのですが
逆に言うと普通に出来る事が普通に出来ないので
先ほどの言葉のチョイスもそうですが、自分の思うように表現出来ない分イライラに繋がったり
癇癪(かんしゃく)を起こしてしまう要因になってしまいます。

これで自閉症の脳がどれ程の範囲(領域)を捉えてるのか、少しでもおわかり頂けましたでしょうか。

自閉症の症状は悪意があるのではなく、苦しんでるのです。
ただその事に本人が気づいてるとは限りませんし、気づいてても自分の意思でコントロールするのはほぼ不可能なのです。

自分の意思で動いてるのではなく、脳の働きでそう動いてしまうのですから。

ですから保護者や支援者はもちろん、社会全体としてこの事を理解して接しなければ
ただ自閉症とは理解し難い(受け入れ難い)、憎っくき対象としてしか人間関係を築けなくなります。

そして最も大切なのは、自閉症の症状は自閉症の人だけが持つ特徴ではなく
多かれ少なかれ、誰しもが持つ特徴であって
自閉症の苦しみは不自由であるがゆえの苦しみであり、悪意があって困らせてるのではない事をお忘れなく。

気づけばあなたのその苦しみは、もしかすると自閉症の症状から来てるのかもしれませんよ。
(自閉症の症状とは、単純に脳の働きの事であると考えて頂ければわかりやすいでしょうか)

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専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

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