手放す事への恐怖 ~失いたくない気持ち~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

人は無くすという事に対して、精神的ショックが大きいものです。
何か自分の所有してる物を無くすというよりも
心の支え、精神的支柱になってるものを失う事ですね。

例えば東日本大震災では、多くの人が多くのものを失くしました。

日常で、ただの紙切れ1枚を無くしたくらいでは
それほど大した影響もないですが
その1枚に大切な思い出が詰まってたりすると
(大切なお子さんが残してくれた絵が描いてあったり)
心に与えられる精神的ショックたるや
想像してた以上に大きなものとなるでしょう。

このように思い出の詰まった物や、大切な人もそうだし
財産や美貌、地位や名誉、今まで築きあげてきた信頼や人間関係
自分にとっての全ての精神的支柱になってるものは
それを失った時に物凄く大きく精神に影響を与えます。

いわゆるこれが喪失感というもので
人間にとって一番大きな精神的ダメージとなります。

程度によっては、生きる希望すら瞬時に失ってしまうでしょう。

人はいくら自分が大切にしてる物でも
それが自分の精神的支柱になってない限りは
無くしたところでさほど大きな影響は残りません。
もし感情的になっても、たいていはその時だけで済んでしまいます。

それに引き換え、他人にとってはどうでもいいようなもの
例えば子供が大切にしてる、ボロボロで古くなったぬいぐるみや
興味のない人にはたかがそれくらいと思えるゲームのセーブデータでも
それが精神的支柱となっていた場合には
失った時の精神的ショックは計り知れません。

他にも、断捨離ブームに乗っかって物を整理しようとしても
なかなか物が捨てられなかったり
使わないだろうとわかってても、結局残しておいたりするのは
単に物が捨てられない、未練がましいというよりも
それが自分を築きあげてきた大切な一部
精神的支柱になってるからなんですね。

つまり、物への執着が自分を苦しめてるのではなく
喪失感への不安や恐怖が、自分を苛めてるんです。

喪失感に対する人のストレスは計り知れません。
だからこそ人はなかなか変われないのです。
行動に移せないんです。
変わる事で何かを失うのが怖いんですね。

せっかく今まで自分が築きあげてきた牙城を
自ら壊してしまうなんて事は容易には出来ません。

もちろん人に取り壊すよう命じられても(変化の強要、指図)
容易には受け入れられません。
例えその方が良いとはわかってても。

しかしこれを逆手に取って考えてやれば
精神的支柱に対する想いや考え方を柔軟なものにしてやる事で
変わるための行動も起こしやすいですし
受けるショックも軽減してやる事が可能になります。

つまり、とても生きやすい人生に変わるという事なんですね。

例え自分の中に後ろめたい気持ちがあっても
人はなかなか変われません。
良いか悪いかではなく、変わる事で失うものへの恐怖が大きいから。

今の自分が変わると何を失うのか?
そして新たな自分は何を得るのか?

ここへ目を向けて、未来を見据えていきたいものですね。
今だけを見ていれば、未来は見えてきませんから。



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