常識破りの功罪Ⅳ(おしまい)
今日の目次
・何か打ち手はないのか?!
・引き継いだ事業を衰退させるなど・・
・業績アップにつながった
・具体的にまずできること二つ
何か打ち手はないのか?!
さて、このことを踏まえて、外に向かってご提案というか、是非提言したいことがあるのです。それは、ここへきてもなかなか業績が上がらない地元企業に対しての提言ということになります。
地元企業の中には、以前はかなりの業績を上げていた企業もありました。それが長期低迷に入ってもうずいぶん経ちます。既に淘汰され消えてしまった企業もありますが、そうはならなかった、或いはそうするわけにもいかなくて、細々と続けている企業もあるのです。
事業を続ける限りは、できれば業績を上げたい、儲かりたい、と思うのは、誰しも同じだろうと思います。しかし、一向に業績は上向いてきそうもありません。何か打ち手はないのでしょうか。
私は長年、地方企業の実態を見ながらそのことをずっと考えてきました。そんな中、周囲にはもう半ば諦め気味の企業も多く見られました。『特に打ち手もないしなあ・・・』というのが、社長さんたちの胸の内なのです。
引き継いだ事業を衰退させるなど・・
私も税理士として関与し始めた当初『まあそうかもなあ・・人口も減り続けているし、昔みたいに所得も上がってくるわけじゃなし、業績の回復は難しいのかもなあ・・』と、経営者の皆さんに同調していたところはありました。これといった打ち手を思いつかなかったからです。
しかし、少なくとも自分のやっている事業についてはそうはなりたくない、という気持ちには強いものがありあました。引き継いだ事業がひたすら衰退するなどというのは、受け入れられなかったからです。そこで、自分の職場に関しては冒頭に記したような手(上場企業並みの職場環境を作る)を打ったのです。
具体的には、職場のルールだけではなく、全体的な雰囲気、風通しみたいなことも重視しました。それが業績アップにつながるかどうかというのは、確信があったわけではありませんが、少なくとも職場の礼儀作法のレベルや雰囲気くらいはよりよい環境にしたかったのです。
業績アップにつながった
ルールの整備だけでなく、全体的な雰囲気、風通しなどを重視して、いい職場環境を作る。そんな、或る意味、最低限の打ち手とも思える試みを実践してみて、さてどうなったでしょうか?結果的にはそのことが、業績の維持というレベルに留まることなく、さらに上昇させていくことにもつながったのです。
職場環境が良かったから業績アップにつながったのか、業績がアップしたから職場環境が良くなったのか、これって、まさに鶏と卵論争みたいな話になるのですが、とにかく、いろいろな意味で職場環境の基盤整備が、企業が成長発展するための必須条件であるらしい、という結論に達したのでした。
そういう視点で地元企業を改めてウォッチングしてみると、そういった基本ができていない企業が多いような気がするのです。ここを何とかしなければ、そもそも成長のスタートラインにすら立てないのではないか、と思っています。
具体的にまずできること二つ
さて、ここからは具体的な提言になります。まずはこんなことからしっかり始めてみてはどうでしょうか。
・挨拶をちゃんとする。
当たり前すぎるくらい当たり前の話ですが、これができていない企業は意外に多いのです。私や事務所の担当者が訪問しても、そこで机に向かっている従業員さんが顔も上げない会社というのはよく見かける風景です。挨拶がちゃんとできていない会社に、何をアドバイスしても無駄なような気がするのは私だけではないでしょう。
・現場をきれいにする。
オフィスであれ、作業現場であれ、散らかっている或いは汚れたままになっている会社で、業績の良いところなどお目にかかったことがありません。それだけでも、即その会社の良し悪しを判断するバロメーターになるくらいです。なので、もし今散らかっているのであれば、一日仕事を止めてでも徹底的に職場を片付けることをお勧めします。おそらく、そうしないことには何も変わらないだろうと思うからです。
上の二つは、社長命令ですぐにでも実行できることです。それが定着するかどうかは、その後の少し長期的な努力が必要になりますが、とにかく、手をつけないことには始まりません。とりあえず、この二つなのです。
割ときれいにしております。
我がオフィス
つづく



