社長の「情報発信(アウトプット)」を最高の武器に―姿勢を正し「考え方」を身につければ鬼に金棒―
様々あるメディアへの入口
私は、経営者は地域のメディアなどへできるだけ露出することをお勧めしています。これらのメディアへ、出演者や執筆者として登場することは、お金のかからない効果的な広告宣伝の役割を果たすからです。
その中で電波媒体としては、地域FM放送や地方テレビなどへの出演があります。また、紙媒体では地方紙やタウン誌への出稿ということも可能です。そして、日々自分でできることとしては、SNSへの書き込みや動画のアップということになります。
今回は、この紙媒体やSNSへ書き込まれるもの、即ち「文章」に関してどうあるべきか、ということについて少し掘り下げて考えてみようと思います。電波媒体では、その場でしゃべる言葉に加えて、語り口の巧みさ、抑揚のつけ方、見た目の印象、雰囲気などがプラスされますので、瞬間的に伝わるインパクトはかなり強いものになります。
それに比べると、「書かれたもの」の瞬間的な伝搬力はやや弱いかも知れません。ただ、じっくりと読み込むことができますので、より深く相手に浸透する可能性が高いと言えましょう。
「文書」ではなく「文章」を顧みる
ところでビジネスの世界では、「書かれたもの」には、どんなパターンがあるでしょうか。まず、社内で提出される業務報告書や研修レポート、といったものがあります。また、立場が変われば、業界内でのちょっとした挨拶文やスピーチ原稿なども多くなるでしょう。
ただこれらはすべて内部文書か、外へ向かっていたとしても半ば公的な文書に近いものです。こういった「文書」的なものではなく、ビジネス寄りだけれど「文章」と呼べるようなものはないでしょうか。
ビジネス寄りの文章の最たるものに「コピーライティング」という世界があります。コピーライティング・・日本語には「商業案分」或いは「広告案分」と訳されています。
その内容や目的をもう少し詳しく言えば「人間の心理を深く理解して、言葉で読者の行動を変えること」ということになります。「キャッチコピー」などはその最たるものでしょう。優れた「キャッチコピー」は、それを目にした人の心をわしづかみにして、その人の消費行動まで変えてしまう力を持つのです。
露骨な商業的世界は嫌われる
さて、経営者が情報を発信する場合は、どのような文章のスタイルが相応しいと思われますか。この「コピーライティング」的な文章を書く力量が必要なのでしょうか。
私は経営者の「情報発信(アウトプット)」は、原則ビジネスから離れるべきではない、と思っていますので、そういう考え方もあり得るわけです。巧みなコピーライティング的文章もありじゃないか、と言えなくもありません。
しかし、結論から申し上げると、私の考える経営者の「情報発信(アウトプット)」は、コピーライティング的な世界からはかなり離れたものになるべきである、ということになります。いくらビジネス寄りと言っても、そこにコピーライティング的な要素が加われば、即敬遠されてしまう可能性が高くなるからです。
何故でしょうか?それは、本来経営者のキャラクターや人となりが期待される場面がビジネスライクになり、商業的な臭いが入り込んでしまうからにほかなりません。
この臭いに、読者は敏感にアンチの反応を見せます。それくらい、現代の読者は、商業的或いは広告的な押し付けの世界を嫌うのです。
それではどうすればいいのか・・次回その内容について述べたいと思います。
かなり、文章の量が多い
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つづく