青春の彷徨、新宿ゴールデン街―無頼に生きる、がテーマだったあの頃―Ⅰ
着るものごときに・・・
ちょっと前のことですが、下記のようなエッセイだかコラムを読んで印象に残ったので、そのことについて書いてみたいと思います。誰が書いたどんな内容の文章だったか細かいことは忘れてしまいましたが、その主旨は覚えています。
そこには、
―持っている服なんて同じようなもので構わないし、シンプルなのがいいに決まっている。あのスティーブ・ジョブズはいつも黒いタートルネックにジーンズだったし、ザッカーバーグも着るものなんかどうでもいいと考えている。そもそも自分の仕事に真剣に打ち込んでいれば、着るものなんかにかまっている暇はないはずだ。―
といった主旨のことが書かれていました。
常人には及ばない情熱や才能
確かに、上記の彼らに限らず着るものどころか、食べることにすら構うことなく仕事に打ち込んだ、という話は、大きな成功や成果を上げた人物のエピソードとして耳にすることが多いものです。いわゆる「寝食を忘れる」という、極限に集中した状況を指しています。
ノーベル賞を受賞している科学者などにも、この手のエピソードの持ち主は珍しくないのではないでしょうか。そこには、常人には到底及ばないような情熱や才能、集中力といったものがあります。
しかし、考えてみれば、スティーブ・ジョブズやザッカーバーグといえば何十年に一人出るか出ないかくらいの天才であり、なおかつ相当な変人ということも伝え聞くところです。
私も、彼らをそれぞれモデルにした映画を観たことがありますが、確かにその天才ぶりと同時に、かなりの変人として描かれていました。彼らのプロフィールなど読んでいると、それらが、あながち極端な誇張やフィクションというわけでもなさそうな気がしてきます。
上っ面だけ真似しても・・
彼らの場合、ビジネスに打ち込むときの集中力も、並の人間とは比較にならないレベルの持ち主だったのであろうと推測されます。そんな彼らが着るものに無頓着だったというのは不思議な話ではありません。
着るものどころか、他のあらゆる面においても相当にユニークな人物だったことは想像に難くないのです。ということは、逆に、そんな彼らのファッション観だけ真似したところで同じようになれるはずもないというのが妥当なところでしょう。
先述のエッセイを書いた人物は、彼らと同じような感覚(服とかにこだわらない)の持ち主なのでしょうか。いずれにしろ、それは極めて個人的な世界の話ということになります。
天才たちの頭の中は?!?
つづく