2つの結婚披露宴―悪いことしちゃったなあ・・・遠い昔のほろ苦き思ひで―Ⅱ(おしまい)
世の中には2通りの人間がいる
ドラマのセリフやちょっとした読み物などで、よく使われる表現に次のようなものがあります。「世の中には2通りの人間がいる。それは○○のような奴と××のような奴だ・・・」
例えば「世の中には2つのタイプの人間がいる。それは金に使われる奴と金を使いこなす奴だ。」「世の中の男は2つのタイプに分かれる。それは女に騙される馬鹿と女を騙す馬鹿だ。」・・・うーん、どうもあまり気の利いた的確な例文を思いつきません。しかし、映画で使われるこういったセリフの中には、「なるほど言い得て妙だ!」と思わず膝を打ちたくなるようなものもあります。
そんな中、これってあるよな、と閃いたので、そのこと自体を掘り下げてみたいと思います。それは次の2つのタイプのケースです。
ジョークを飛ばす奴は少数派
その2つのタイプというのは、「世の中、ジョークを飛ばす人間と、まるで言わない人間の2通りに分かれる。」ということになります。職業柄、いろいろな人と会話を交わしますが、その会話の中にジョークを交える人は、それほど多くありません。というか本当に少ないのです。
ジョーク・・・少し表現を変えればユーモア、ウィットということになるのかも知れません。ジョークは日常的なコミュニケーションの中で、ちょっとした笑いを誘う行為なのに対して、ユーモアやウィットというのはもう少し高尚なレベルになるのでしょうか。
まあどっちにしても、会話の中で、少し本筋から外した余白の部分を作るのがジョークやユーモアの世界であろうと思います。だからそこには、ちょっとした誇張や架空の世界が含まれることになります。
緊張の場を柔らかな雰囲気に
例えば、私の事務所の副所長でもある女性税理士を新しい関係先などに紹介するときなど「弊社の副所長です。ナンバー2の立場ではありますが、影のボスとも呼ばれており、私も他の男性社員もとても頭が上がりません。」などと余計な紹介の仕方をしたりします。
もちろん、そんな紹介もその場の状況や相手の立場などによって、できるときとできないときとはあります。ただ、緊張しがちな初対面の場を、少しでも柔らかい雰囲気にしたいので、そんなセリフを吐いたりするのです。
そうすると、彼女も「もう!!ちょっとやめて下さい。話半分に聞いてくださいね。」と応じるので、和やかに面談などが始めることができるのです。こんな感じでコミュニケーションを開始することは結構多いのです。
普通に交わされるものと思っていた
どうもこれは、私の勝手な思い込みみたいなものなんでしょうが、「場」というものが、初めっからガチガチの緊張状態というのはよろしくない、だからなんとかその状況をほぐすような柔らかな雰囲気を作った方がいい、という私なりの心理が働くのかも知れません。もちろんそれは、先述したように時と場合によることは言うまでもありません。
それが、社会的ポジションなどがかなり上の年配の方との「場」であっても、その方のキャラクターや、精神的な余力のようなものを見定めた上で、そんなジョークを交えて話をする、ということをやるときもあります。まあこれは、ちょっとした会話の上での冒険ということになりますが。
そういったときのジョークが、相当きわどかったりきつめということであれば、スベったり場が白けるというリスクも想定されます。しかし、そこまでギリギリのコーナーを責めるということはしません。軽く、相手の気分がくつろげるような内容であれば、会話にジョーク的なものを交えるのはかまわないと思っているのです。
それが私の「普通」だったので、他の人もおおむねそういった志向は、程度の差こそあれ誰にでもあるのだろう、と勝手に思い込んでいました。つまり、ジョークというのは、わりと普通に交わされるものと思っていたのです。
真面目な会話を交わしております。
つづく