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ねえお兄さん、その後の物語、ちょっとしたドラマは突然に―実は後日談がありまして―Ⅰ

海江田博士

海江田博士

テーマ:人生を考える

いったい何があったのか、前回までのお話

以前「ねえお兄さん・・・我慢できなかった私のひとこと」という題名でこのコラムを書いたことがあった。羽田空港の中にある靴磨きの店で、私の靴を担当した若者の接客態度が、あまりにも無愛想でひどかったので、柄にもなくそのスタッフに忠告したときのエピソードを書いたのである。忠告と書くとなんだか「説教」とか「上から目線」みたいに聞こえるかも知れないが、そのときは下記のように、ほんの一言声をかけただけである。(コラムから抜粋)
―「ねえお兄さん、あんた、この仕事楽しい?」彼は戸惑い気味に「は、はあ、まあ・・」と答える。
私はさらに言葉を続けた。「だったらさあ、せっかく靴好きが集まるこの店をやっているんだから、もう少し愛想よくしたら・・・」―
まあこうやって振り返ってみると、忠告にすらなっていないかも知れない。ちょっと注意しただけみたいにも見える。
ただその後、一人の人間として彼の職業に対する姿勢というのはどうだったのだろうか、みたいなことまで含めていろいろと考えたので、私が自己分析した見解のような内容のコラムももう一本書いたのである。確か4月のコラムのコーナーに2本掲載されているので良ければ読んでいただきたい。

後日談の後日談は突然に

実はそうやって声をかけてコラムを書いたあとにも、さらに後日談みたいなことがあった。それも書こうかと思ったのだが、そんなに大した話でもないのに何回もしつこい、と思われるのもどうかなあ、と考えて特に触れることもしなかったのである。
しかし、つい先日、その後日談のさらに後日談的な出来事が突然私の身に起こった。そのお話を、後日談と含めてご報告してみたい。(なんかややこしい表現、話の内容になって、申し訳ありません。)
私は、最初に声をかけて以来、あの靴磨き店の若者は、少しは考えてくれて態度とか変わっただろうか、というのはちょっとだけ気にはなっていた。とはいえ、鹿児島と羽田の行き来の際にしか立ち寄れないので、なかなか靴を磨く機会は訪れなかったのである。

とうとうその日はやってきた

さて、後日談というのは、そうやって、少し間は空いたのだが、とうとうその日はやってきた。また、あの靴磨き店に立ち寄る機会があったのだ。
もちろん、主たる目的は靴を磨いてもらうことで、あの男性に会えるかどうかはどうでもいいといえばどうでもいいことである。しかし、やはり彼がまだ店にいるとすれば、私の言葉を受けて、接客態度が変わったかどうかは気になるところではある。
私は、いつもより少し緊張しながらくだんの靴磨き店へと向かった。

まず初めの後日談、何があったのか

靴磨き店に近づくと、あの若者はまだ店にいた。しかも、今回も数人いるスタッフの中で偶然にも私の靴は彼の担当となった。靴を脱ぎ、彼に渡してカウンターで磨く姿を見ていた。
前回もそうだったのだが、今回も心なしか他のスッタフのときよりも短い時間で済ませたように見える。まあそれは仕方ないとして、私は磨き終わった靴を受け取った。
渡すときや受け取るとき何回か目はあったはずなのだが、特に彼の方からは何もない。『覚えていないのかな?』と思い、私の方から声をかけた。
「ねえお兄さん、俺のこと覚えている?」
彼は改めて私の方を見て「え?いや、わかりません。」と答えた。『そうか、こいつ、覚えてもいなかったのか』と心の中で思いつつ
「この前、『もっとちゃんと接客したら』と声をかけたじゃないか。覚えていない?」
そこまで言えばさすがに思い出すかと思ったが、彼は
「ああ、毎日いろんなお客さんが多いもんであんまり・・・」
これは私にとって軽い衝撃であった。なんとあの男の記憶にはなかったのである。私は心の中で
『へぇー、ああやって、自分の仕事の態度に関して客に言われたことさえこいつは覚えていないんだ。』
といささか呆れつつ、まあこの人間とこれ以上話しても無駄だと思い、「ああそう。」とだけ答えて、料金を払いその場を離れた。

初めの後日談、どう考えたのか

そうなのだ。あの男は私との一件を覚えてすらいなかった。私が最初に彼に磨いてもらったとき、彼は自分の仕事に対する姿勢について声をかけられた。特にあからさまなミスがあったわけではないのに、あんな風に客の側から注意されることなど、おそらく初めてだったのではないかと推察される。そんなことはそうそうあることではないだろう。それでも彼はそのことを覚えてもいなかった。あの一件に関していろいろ考えたり、まあある意味ちょっとは悩んだりした私の完全な独り相撲だったことになる。
そう考えながら振り返ってみると、確かに今回もあの男の接客態度は最初と全く変わっておらず、相変わらず相当無愛想なものだった。『多少なりとも変わってくれればいいけど。』などと思っていた私の思いは、全く伝わらなかったことになる。実はこのことは、後日談としてすぐに書こうと思ったのだが、どうせその内容は「ダメな奴はやはりダメでした」的なネガティブな話になるので、もうやめておこうと思いあえて書かなかったのである。
にもかかわらず、今そのときの思いをあえて復活させて、また書いているのは何故か!それは、このあと実に衝撃的な出来事が私に起こったからである。それはこの件を、またぶり返してでも書かずにはいられないくらいのインパクトを私にもたらしたのだ。
さて、前振りはこれくらいにして、その後日談の後日談、今回いったい何があったのか書こうと思う。



スニーカーもレザーのときは磨いてもらうことも・・

つづく


追記:いつも読んでいただきありがとうございます。
まあこの通り、いささかユニークな税理士です。
「こんなこと、相談しても大丈夫だろうか?」
といった、我々の専門外のお話についても、
構いませんので一度持ち込んでみてください。
普通、税理士が受けないようなご相談にも、
かなり幅広く対応いたします。
なにかしらヒントになるような
ご解答はお示しできると思います。
ご縁をいただければ幸いです。

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海江田博士
専門家

海江田博士(税理士)

税理士法人アリエス

税務相談はもちろんのこと、従来の税理士としての職務に留まらず経営者自身で革新できることを目指した支援を続けています。日本経済をしっかりと支えられる強い基盤を持った中小企業への第一歩のお手伝いをします。

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