2つの結婚披露宴―悪いことしちゃったなあ・・・遠い昔のほろ苦き思ひで―Ⅱ(おしまい)
古今東西、様々な諺や慣用句、言い伝えなどがあるが、先達が残した諺というか教えの中で一番当たっているなあ、と思うのは「女房妬くほど亭主持てもせず」という言葉である。
まさにその通りで、例えば、キャバクラのお姉ちゃんからの
「大好きな○○ちゃん、いつでもエリカ(仮名)は待ってるわよん。」
なんてラインを見られて、カミさんが烈火のごとく怒ったとしても、そんなのは営業トークもいいとこで、妬くに値しないことなど言うまでもない。(トークの例文がお粗末で申し訳ありません。もらったことがないのでよくわかりません。)
しかし、こういうときのカミさんの怒りというのは、嫉妬というよりも
「こんなアホなことに金を使いやがって!しかもこんなアホなやりとりまでしているとはっ!!」
というところにあって、別に妬いているのではないかも知れない。
現実の嫉妬という心理状況で言えば、ことはもうちょっと微妙で、
「うちの人は女の子に少々優しすぎるとこがあるから、会社で愛想ふりまいて変に誤解されたりしてないかしら。」
くらいのところか。
もちろんこのレベルであっても、妬くほどモテる、ということはほとんどなく、まあ心配には及ばないというのが相場であろう。
ということで「女房妬くほど亭主持てもせず」というのは、まさにその通りで、さすがに先達はうまいこと言ったもんである。
モテる、という状況は男の憧れでもあるがそう簡単に手に入るものではないのだ。
しかし、しかしである。
真理というのはここからもう少し掘り下げなければならない。
「女房が妬く」という状況は、亭主が冒頭のキャバクラの例ように何かしらよろしくないことをしでかしているから起こる現象である。
そういったことにはまるで興味もなく、ファミリーサービス一辺倒、或いは他に時間や金のかかる趣味といったものを持っていれば、起こりうる話ではない。
つまり「女房妬くほど亭主持てもせず」という諺は、なにかしらそんなきっかけがあったから
「心配には及びませぬ。あんたの亭主は、そんなことしてたって所詮無駄なんだから。」
と説得或いは慰めの意味で発せられるフレーズなのだ。
だから、当初瞬間的な状況ではまさにそうであろう。
ちょっとくらい女の子に手を出したからといってうまくいくどおりなどあるはずもない。
それはその通りなのだが、この亭主が凝りもせず、「モテたいなあ・・」という努力を続けたならばどうだろう。
世の中、何事も続けていれば、スキルアップというご褒美はあるものだ。
そうすると、いつか、侮れない事態が起こらないとも限らないのではないか。(もって回った言い方ですみません。)
とすれば、である。
この「女房妬くほど亭主持てもせず」という諺は、実は深謀遠慮のもと、先達が残した見事なカモフラージュ的言説なのではないか、と推察できなくもない。(もちろん、それは男性の先達であります。)
この諺、表面的には「まさにその通り!」という真理を表しているものの、実のところ、モテる極意を掴むまでの男の努力を、自虐的な言い回しで覆い隠してしまおう、という先達のちょっと複雑かつ深めの配慮なのではないか、と思ったのである。
こんなことを思いついて書いていると
「そうか。じゃあアンタもモテるために涙ぐましい努力をしてるんだろうな?」
と問われそうだが、そんなことはありません。
できるだけ波風立たないように静かに暮らしているだけでございます。
こんなの読んで「モテる」を研究はしているんですが・・・
PS
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
上記の通り、いささかユニークな税理士です。
この業界人特有の硬さはみじんもありません。
私と話すと面白い、という方がたくさんいらっしゃいます。
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是非一度お話の機会を・・・・・