10年後に無くなる職業Ⅰ
「優先順位」こそ優先順位の第一位
よく言われる言葉に「優先順位こそ重要である。物事を決めたり考えたり、行動起こすときには、まず優先順位ということを事前にちゃんと想定しなければならない。」といったものがあります。「優先順位」をまず考えることこそ、数多くある判断基準の優先順位の一位にくるという、まさに言葉遊びみたいな話です。
ところで、昔からこんな風に言われているにもかかわらず、世の中そのようになっているのかどうかについては、甚だ疑問が湧いてきます。優先順位というものがきちんと守られているでしょうか。
大衆の関心はどこに?
例えば少し以前のことになりますが、巷では広末涼子の不倫問題の話題でもちきりでした。(騒動はまだ続いているようですね・・)しかし、ちょっと考えてみればわかることですが、広末涼子が不倫をしようが何をしようが、我々の生活には何の関係もないし、何の影響もありません。にもかかわらず、メディアなどは多大な時間とエネルギーを割いてこのことを報道していました。
こんな状況に「国際問題など他に重要な案件はいくらでもあるのに。」とあきれたものでした。しかし、これなどは、メディア側の優先順位のつけ方がおかしいじゃないか、と非難する前に、そんな情報に関心の高い大衆の方に疑問を投げかけるべきなのかも知れません。向こうはどこまでも商売なのであって、単に視聴率や部数が伸びればいいのですから。
無視できない影響力
芸能人やアイドルの動向は、一般大衆に対して一定の影響力があるために、報道が過熱するのは仕方がない、という事実はあるにはあります。例えば、昔、或る少女アイドルが自殺したとき、同世代の少女たちの後追い自殺のような現象が激増したことがありました。そういう意味では、芸能人のスキャンダルも馬鹿にできないところがあります。
ただ、不倫だ浮気だ、というのはどうでしょうか。社会的影響が極めて深刻である、とまで言えるでしょうか。少なくとも私には何の影響も与えません。大抵の人にとっても同様だろうと思います。にもかかわらず、一定の視聴率が取れたり週刊誌などの部数が伸びたりするのは、そんなことに、ある程度関心のある層が存在するからなのでしょう。
意図的な操作なのか?
しかしながら視点を変えて、日本の「国家」という単位で考えてみたとき、もっと重要な注目すべきこと、ちゃんと知るべきことなどいくらでもあるはずです。にもかかわらず、多くの人々の関心事はその優先順位に沿ったものにはなっていません。どーでもいいことに一喜一憂しているのが現実なのです。
社会生活面もそうですが、特に政治においてその現象は甚だしく感じます。国の本当に重要な案件はほとんど討議されることもなく、まさにどーでもいいようなことばかりが追求され話し合われ決定されているように見えます。
優先順位のつけかたが狂っているというより、なにか意図的にそう成されているのではないか、という気さえしてきます。実際、そんな意図が働いているのではないか、と私は疑っているのです。
情報弱者にならないために
この、世の中に蔓延している「おかしな優先順位のつけ方」に疑問を呈し、声を上げ、是正に持っていくには国民の情報取得に関する意識をもっと高める必要があるのではないでしょうか。昨今、メディアの報道は、ほとんど「どーでもいいこと」の垂れ流しに過ぎません。我々は、そんな中からも、重要な案件を選別し、きちんとウォッチングしていく必要があると思います。それでも足りなければ、昔に比べて選択肢が格段に増えた他の方法(ネット、SNSなど)を使ってでもまともな情報を取るように心掛けていくべきでしょう。そんなことを強く感じる今日この頃です。
ちゃんと情報をとろう