突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅱ
失われるのは企業の体力
悪化している業績を改善するために、有効かつ即効性のある打ち手の「経費削減」という施策について書いてきました。ただこの施策、即効性はあるものの、長く続けていると、全体の士気が下がるだけでなく、企業体力がやせ細ってしまうという危険性を含んでいることも忘れてはいけません。それになんといっても、面白くないし、楽しくないというのが私の考えです。
全方位的に考えるべき企業活動
私は税理士という立場ではありますが、専門である税務会計の分野ばかりではなく、やはり「企業業績を伸ばしていくにはどうしたらいいのか」ということをトータルで支援したいと思っています。そのためには、売上を伸ばす、粗利率を上げる、余計な経費は使わない、必ず将来への投資は確保しておく、といったことを全方位的に考えなければなりません。そうしなければ、企業業績は伸びていかないと思います。
そもそも、経営者にとっての企業経営、社員にとっての日常業務というのは、やっていて楽しい、やりがいがある、といった要素がなければ意味がないと私は思っています。また逆に「意味」のある仕事であれば、自然にやる気や元気も出てくることでしょう。
売上の追求こそが一丁目一番地
そういった観点で言えば、税理士事務所にとっての理想的な成果というのは、お客さんの業績が伸び、それとシンクロして事務所の収益も伸びていくことだと思っています。そういった理想を追求するためには、「経費削減」といった引き算的なテーマだけで仕事を進めていたのではその実現は難しい、というのが私の考えです。
私は、企業活動においてまず目的とするところの一丁目一番地は、やはり「売上を伸ばす」ことではないかと思います。この命題に後ろ向きになっていては、企業の成長はないし、第一仕事をしていても面白くありません。
大事なのは間断なきチャレンジ
冒頭の話に戻れば、財務省も低迷している国の経済状況を底上げするために、思い切った減税などすればいいのにと思います。官僚には、民間の経営者のように「売上を伸ばす」といった才覚はないでしょうから、そういった援護射撃をしてくれればそれでいいのです。
あとは民間企業である我々が、自らの才覚で頑張って業績を上げ、上がった成果から十分な納税をするのですから、税収減を心配する必要はありません。世の中の経済状況がどうあれ(税金を)取ろう取ろうという根性だから、ますます景気は悪くなるのです。
また、我々自身も「経費削減」といったネガティブな試みだけに注力するのではなく、どうしたら「入り」即ち「売上」を伸ばせるかといったチャレンジを間断なく実行すべきでしょう。一社一社は小さな中小企業であったとしてもその総和で日本経済は底上げされるのですから。
攻めましょうや!
おしまい
追記:いつも読んでいただきありがとうございます。
まあこの通り、いささかユニークな税理士です。
「こんなこと、相談しても大丈夫だろうか?」
といった、我々の専門外のお話についても、
構いませんので一度持ち込んでみてください。
普通、税理士が受けないようなご相談にも、
かなり幅広く対応いたします。
なにかしらヒントになるような
ご解答はお示しできると思います。
ご縁をいただければ幸いです。