『選ばれる税理士ファッションとは?』―ダサきゃおしまい!スタイリストからのきついメッセージ―Ⅲ(
2本目のラジオ番組
今年の4月まで10年近く、FM放送のビジネス系レギュラー番組を持っていた私ですが、ある時期もう一本準レギュラーといえるような番組を持ったことがありました。それは月に一回準レギュラーのゲストとして出演する30分番組でした。
その番組に、初めてゲスト出演し、私を招いてくれたパーソナリティーといろいろとお話したときは、話題が多方面に広がってしまい、時間の経つのがあっという間でした。番組が終わった後、『いやあ、今日は全くしゃべり足りなかったなあ・・・』と思っていたのがどうも私の顔に出ていたようです。そうしたら、彼の方から「だったら、いっそのこと準レギュラー扱いで定期的に出てみませんか。」と、いうことになったのです。
私が心掛けていたこと
さて、こうやってラジオ番組(テレビについては後述します)など、いくつかのメディアルートを持っていた私でしたが、メディアに出る際に心掛けていたことがあります。
それはいったいどんなことだと思われますか?
専門的な知識?テーマの設定?言葉のチョイス?しゃべり方?間違ったことを言ってないか?・・・いろいろ考えられますね。もちろんそれもあります。しかし、少し意外に感じられるかもしれませんが、実はその際(出演する際)の服装(ファッション)なのです。
テレビならいざ知らず、ラジオなんて聴取者から見えるわけでもないのに何故?と、思われるかも知れません。確かに見えるはずもないのですが、私なりのこだわりがあって昔から心掛けていたことだったのです。
何故ファッションに?
その理由は二つありました。
一つは、そのときレギュラー番組を持っていた方のFMラジオのスタッフが全員女性だったということです。彼女たちと、できるだけ良好なコミュニケーションを図るためにも、ファッションはある程度きちんとしていた方がいいだろう、という私の判断だったのです。
もう一つは、番組の冒頭、おしゃべりに入る際に、コンビを組んでいるパーソナリティーの女性に、私がその日着ているものをちょっといじってもらう、という効果を狙ってのことでした。タイムリーなテーマを取り上げることも多いので、そのときの季節感とファッションを一致させるという、私なりの配慮でもあったのです。
テレビで気を遣ったこと
そういえば、以前私が所属している業界(税理士の世界ですが)の広報を担当していたとき、5,6年続けて広報活動のためテレビに出演したことがありました。このときは、私にスタイリストさんなどつくはずもないので、自分なりにかなり考えて服装には気をつけたものでした。
中でも「季節感」ということには気を遣いました。というのは、そのテレビ番組の収録は、12月中に行なわれるのですが、放映は確定申告に向けて年が明けてからになるのです。そのために、収録に際しては、真冬の恰好ではなく、明るいネクタイなど少し春らしい装いを意識しました。
メディアに出るということは「業界の顔」という責任もあります。職業柄、基本的には真面目で誠実といった印象を崩さないようにと注意しますが、前述のように「見栄え」という点でも結構細かいところまで気を遣ったものです。
メディアは総合的な情報伝達の場
さて、話は戻りますが、ラジオといっても、放送中或いは放送終了後、スタジオ風景など必ずスタッフさんと一緒に撮影する機会を設けます。そうやって撮影した画(え)をその日しゃべった内容と一緒にSNSにあげたりするのです。そのため、適当な恰好で済ますというわけにはいきません。
つまり、メディアに出るということは、ただ情報を伝えるだけではなく「見た目」も含んだ総合的な「情報発信(アウトプット)」の場、と位置付けることができるのです。このように、いざマスメディアに登場する際には、あらゆるケースを想定し、気を配っていく必要があると私は考えます。
税理士業務以外で、私が所属しているコンサルタントグループのサイトの中にも、「ビジネスエグゼクティブが相手に与える印象」を専門に、プロとしてのコンサルティングなさっている方もいらっしゃいます。(確か女性だったと思います・・)私の場合、アマチュアではありますが、自分なりに「見た目」には気を使っているのです。
プロとのやり取り
冒頭のお話に戻りますが、私が新しく参加したFM番組のパーソナリティーはご夫婦で、実は私の顧客でもありました。しかもこの二人、本業はファッション関係、セレクトショップのオーナーだったのです。
女性だけではなく男性も・・・。しかも、相手は「着ること」のプロです。このときは、特に気を抜くことはできませんでした。
ラジオ放送(生放送です)の最初のつかみは、やはりその日着ているものの話題から入ることも多いため、私の方も毎回きちんとしたファッションで望むつもりでいました。というか、むしろ最初の掴みでファッションをいじってもらうことを意識して参加していたのです。
その目論見は、狙い通りで、パーソナリティーのお二人は、番組の入りに際して必ず私のファッションに話題を振ってくれました。まあこんな風に、私は「装い」というものを、適度な緊張感を持って楽しんでいたのです。
一瞬で決まってしまう印象
ところで、経営者ともなれば、メディアに登場するかしないかに関係なく、普通の人以上に世間の注目を集めます。「情報発信(アウトプット)」では、「言葉」を駆使してこちらの思うところを伝えますが、その内容を理解してもらうまでにはどうしても一定の時間を要します。しかしながら、「装い」の方は、ほぼ「見た目」一発で印象が決まってしまいます。
確かそこにかかる時間は最初のわずか数秒、という人間の心理状況を計った統計結果も出ていました。そのパワーは決して侮れません。
「情報発信(アウトプット)」も「装い」も、外に向かって何かを発信する、という点では同様の意味と重みがあります。せっかくの「情報発信(アウトプット)」の内容に自信があったとしても、「見た目」で損をするとすれば、それはいかにも残念なことです。
「情報発信(アウトプット)」にかける情熱に負けないくらい、社長はご自身の「装い」にも気を使ってもらいたいと思います。
こんな感じで話してました。
ファッションはOKかな?