青春の彷徨、新宿ゴールデン街―無頼に生きる、がテーマだったあの頃―Ⅰ
地獄の伊東キャンプ
プロ野球チーム巨人軍の「地獄の伊東キャンプ」という逸話(エピソード)をご存知でしょうか。巨人ファンならずとも、もっと言えば野球ファンでなくても語り継がれるほどの有名なお話らしいのです。
それは
―「地獄の伊東キャンプ」とは、1979年秋の巨人キャンプである。
長嶋第1次政権5年目となったこの年、巨人はシーズン5位と2年連続で優勝を逃した。
翌80年に引退する王貞治をはじめ、主力が高齢化。世代交代の必要に迫られた長嶋監督が、若手選手18人だけを連れて、当時では珍しかった秋季キャンプを行なった。
今もって「伝説」「地獄」と称される1カ月間のこのキャンプのことである。(インターネットより抜粋。)―
この過酷なキャンプで徹底的に鍛えられた若手たちが、やがて巨人軍の主力選手として成長し、その後チームの中心となって活躍したというお話です。わずか1ヶ月足らずのキャンプだったらしいのですが、ここで限界まで追い込まれた選手たちは、それぞれが持っていた野球における潜在的な才能を花開かせ、実践においてもチームのリーグ優勝や日本一に貢献しました。このキャンプが「伝説(レジェンド)」と言われる所以(ゆえん)なのです。
長嶋監督の訓示
ここまで読んだだけでも、なんだかすごいことが行なわれたような気がしますが、キャンプインに先立って、長嶋監督は、参加した若手選手に向かって、次のような訓示を発します。
―キャンプの開始前日、すなわちキャンプインの日の1979年10月27日に、長嶋は参加選手全員に対し「どんな艱難辛苦にも耐えて、生き抜く心身をつくるんだ。その意識革命のために、我々はここ、伊東に馳せ参じたんだ!」と訓示し、このキャンプがハードなトレーニングを中心とすることを伊東キャンプ参加選手の全員に覚悟させた。(ウィキペディアより)―
「覚悟させた」という言葉がすごいですね。このメニューが、あまりにも超ハードだったため、参加選手はキャンプ開始の数日後より、ほぼ全員が練習終了直後には自力で立てなかったり、宿舎の自室や風呂場内で横になっていたそうです。わずかに設けられた休日でも、参加選手は出歩く気力すらない状態であったため、外出するメンバーはほぼ皆無だったようです。
それでも参加選手は、翌日および休日直後の練習開始時までには体力を回復させて、無事練習に参加していたというのです。このような超ハードトレーニングにもかかわらず、参加を拒否したり、途中で抜け出す行為をした選手や、怪我で中途離脱した選手は誰1人もいなかったというというから驚きです。
人にはそれぞれ『伝説(レジェンド)』がある
この逸話(エピソード)を知って私が思うのは「人にはそれぞれ『伝説(レジェンド)』があるのではないか。」ということです。更に言えば「マイレジェンドを捜し出して切り出すべきではないか。」ということなのです。
特に経営者においては、その可能性(切り出せるレジェンドを持っている)が大きいのではないか、と思います。経営者であればどこかで必ず、経営上の危機とか逆風に対して、うんと踏ん張った経験とか、異常に頑張った時期というものがあるのではないでしょうか。
私はあります。思い出してみただけでも、何回かあそこは踏ん張ったとか、あのときは頑張ったな、と思い出すいくつかの局面というものは確かにありました。
みなさんも、今は順調に見えている経営状態だとしても、常に順風満帆だったはずがありません。おそらく山あり谷ありの中で、苦労したり苦汁を舐めさせられたりしたことはあったと思います。そこで踏ん張った経験というのは、それが重い意味を持っていても、またそれほどではなかったとしても、自分で「マイレジェンド」と称していいのではないかと、私は思うのです。
覆っていたものを剥いで削り出す
当の本人は、そんな大したことではなかったよ、と思っていても、傍から見れば「それって、なんかすごい話ではないですか!?」といったことは結構あるものです。当事者が、案外気がついていないだけなのかも知れません。
とすれば、それを埋もれさせておくのはもったいない話です。コラムのタイトルを「削り出しませんか?」としたのはそのためです。新たに話を作るということではありません。埋もれていたものを掘り出すのです。というより、覆っていたものを剥いでいって削り出していく、と言った方が適切かも知れません。
なぜそんなことをするのか?・・・それは、そこで顕在化したストーリーは、これまで何回も述べてきましたように御社の貴重な財産となって、その後の自社アピールの貴重な材料(ネタ)となるからです。
キャリアがまだ浅くて「本当にそんなもの(レジェンド)はないよ。」という経営者であっても、今後必ずそれに近いことは体験するはずです。経営が何の困難もなくスムーズに最後まで行く、なんてことはあり得ないからです。
緊張し充実した時間だった
先述の巨人軍の秋季キャンプについて、インタビューに答えていた選手たちは「二度とあんな目に合いたくはないが、頑張りきったことだけは確かだ。誰一人として脱落者はいなかったし、怪我で離脱した者もいなかった。緊張し充実した時間だった。」と、同じような内容のことを言っていました。
このお話はあくまでも個人レベルのものですが、それを通過した選手は「マイレジェンドストーリー」を胸にその後大活躍します。
組織のトップである経営者であればなおのことです。あなたの糧となっているマイレジェンドを削り出してアピールしてみませんか。それはそれを知った人に勇気や感動を与えることは間違いありません。その削り出しのお手伝いを是非させていただきたいと私は思っています。
PS
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
上記の通り、いささかユニークな税理士です。
この業界人特有の硬さはみじんもありません。
私と話すと面白い、という方がたくさんいらっしゃいます。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
電話でも、メールでも、ズームでも対応いたします。
是非一度お話の機会を・・・・・