根性が違う、100歳の経営者魂―店長を震え上がらせた祖母の営業トーク―Ⅰ
アイデアに思い当たる?!?
会社を経営していると様々な新しいアイデアに思い当たります。「アイデアに思い当たる」・・・ちょっと変な表現ですね。普通「アイデアを思いつく」とか「アイデアが湧いてくる」といった表現をします。
しかし、経営上のアイデアの場合ちょっと別で、まさに「アイデアに思い当たる」という表現が的を射ているのです。というのは、行き当たりばったりの印象の強い「思いつく」でもなければ、クリエイティブなイメージの「湧いてくる」でもないからです。
経営者の立場であれば、普段「経営を少しでも上向かせるにはどうしたらいいか。」というテーマを、上記のような感性に任せるのではなく、比較的ロジカルに考えているはずです。そんな経営者が、試行錯誤の末、ようやく「これはどうだろう!?」というアイデアに「思い当たる」わけです。
そして、ここが大事なところなのですが、そうやって「思い当たった」アイデアは、先述のような単に「思いついた」ものではないので、実行可能なものが多いのです。少なくとも、経営者はそう考えます。
目線の違いは大きい
ところが、こういったアイデアを下にまで降ろして、実行させようとすると途端に大きな反発を招くことになります。部下にはそのアイデアの意図が始めよくわかりません。
これは当たり前のことで、経営者は、それまでそのことばかり考えているわけですが、部下は同じ目線でものを考えているとは限りません。というよりは、ほとんど同じ目線でものを考えるということはないのです。
それを「けしからん!」と怒ったところで意味はありません。もともと立場が異なるので仕方のないことなのです。
その反発に関して、反発するときの「やりたくない。」「無理だ。」という理由の中に「そんなのは、これまで聞いたことがない!」というものがあります。今まで「聞いたこともやったこともないことなので、やるべきではない、やりたくない。」というわけです。
彼らがこれまで経験したり見聞きしてきた情報の中に、経営者から聞いたその新しいアイデアは含まれていなかった、と言っているのです。経営者とは、圧倒的に様々な体験の機会の少ない部下たちにとって、これは無理からぬところなのかも知れません。
そういう意味では「情報の共有化」というのは、今後ますます企業の大きな課題になっていくことになります。
枠の外から俯瞰して見る
ところで、この「情報の共有化」という点では、その企業の中の「共有情報」というものがあります。社内で共有している知識やノウハウです。
ただこれは、やや広く取っても、その業界の「共有情報」に過ぎません。それは業種における専門性や業界の独自事情といったものです。そういった言わばクローズの情報しか保有していないという現状は、これは社員に限らず、広く外に目を向けていない経営者にも共通して言えることです。
ところが、新しいアイデアというものはその枠を超えたところからしか出てきません。枠内の常識や、そこから出たアイデア程度では対処できない世の中になっているからです。
その企業が業績不振で永く低迷していたり、業界の保守的な体質のために現状打開の策がなかなか見つからなかったりするのは、「それまでの枠の中でしかものを考えていない。」というケースが実に多いのです。
ということは、新しいアイデアというものは、自分の企業や業界を外から俯瞰した時に、初めて「思い当たる」ものになります。そのためには、一度その枠の外に出なければ何も見えてきません。
そして、その枠の外から「思い当たった」アイデアは大抵の場合、初め大きな反対を受けます。「そんなことは、これまで聞いたことがない!」からです。
同業他社や業界の思惑などどうでもいい
私は、その一つに「中小企業における踏み込んだ広告宣伝」がある、と思っています。広告宣伝そのものを否定する中小企業経営者は、それほどいないだろう、と思います。
しかし、これを積極的に踏み込んで実践しているか、となるとどうでしょう。結構おざなりな経営者が多いのではないでしょうか。それは長い間「わざわざそんなことはしなくもていい。」という自社や業界の「思い込み」があったからにほかなりません。
特に広告宣伝について、初めてその世界に本格的に踏み込んだ場合、最初は慣れていないので、ちょっと他社よりも踏み込んでやっただけで「これは、やり過ぎではないのか!?」「同業者にどう思われるだろうか?!」といったことが気になるものです。
しかし、同業他社などどうでもいい話です。また、それまでそういったことをやってこなかった業界もどうでもいいのです。
大切なのは、顧客がどう思うかということ
問題は「顧客がどう思うか」だけです。「広告宣伝」という名の情報提供を嫌がる顧客はまずいません。歓迎するか、自分に関係ないと思えばスルーするだけのことです。
つまり、広告宣伝にどれだけ力を入れても、よほど下手なことをしない限り、対顧客という点においては、プラスはあっても0よりマイナスへ振れることはありません。やらない手はないのです。
これまで、コスト的に極めて高額だった広告宣伝も、そのやり方において、随分いろいろな選択肢が増えました。我が社のこれまでも常識や業界の古い慣習などにとらわれずに新しいアイデアにチャレンジしてみてはどうでしょう。
ネット広告にはいろいろな商品が・・・