突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅱ
[なんか物足りなかった最後の内堀を埋める]
リアルな店舗→ネット販売開始、という流れから、ネット販売→リアルな店舗建設、という流れが珍しくなくなってきたのは、どういう理由によるものなのでしょうか。
それは、ネットというバーチャルな世界の存在感が、今一つリアリティに欠けるからではないか、というのが筆者の見解です。
ネット販売上の、この「最終的に今一つ詰め切れていない状況」に対して、リアルな店舗を持つことは、「なんか物足りなかった最後の内堀」を埋めることになります。
この「最後の内堀」というのは、ある種の「安心感」といってもいいかも知れません。
それは、現実に存在するんだ、という実感とでも言いましょうか。
理論的というよりも一種、感覚的な世界なのかも知れません。
ネット上だけではなく、そこに行けば実際に手に取ることも購入することも可能であるという安心感は、お金を払う側にとって、無意識下における結構重要な動機なのです。
更に、販売する側にとっても、リアルな店舗におけるリアルな接客、お客さんの生の声、生の対応といったものを現実に体験できるということまた重要です。
この体験やここで収集された情報が、咀嚼され再びネット上のサービスなどに還元されることになります。
つまり、そうやって得られたノウハウや経験が、おそらくこれまでになかった画面の厚み、雰囲気といったものをネット上に醸し出していくのです。
そういった画面の厚みや雰囲気の持つリアリティは、思っている以上にこのビジネスにとって重要なファクターかも知れません。
この、リアルとバーチャルの間に展開される相関関係は、お互いの欠点を補完し、尚且つお互いの利点をさらに引き出していく効果を持つものと期待することができます。
おそらくこの流れは、今後ますます加速して、一つのビジネスの形態を形成していくのではないでしょうか。
スニーカーでも買うか・・・・・
つづく