税務会計以外の経営相談は「向こうの土俵」―どちらの土俵でどんな相撲を取るのか―Ⅱ
[税理士側に大いに問題あり]
ネガティブな理由で、仕方なく頼むのが「税務顧問」である、と教えられた業界に入って最初のセミナー。
そんな出発点から数十年が経った今、私は自分なりにどんな感想をこの業界に対して持っているでしょうか。
結構冷めた目で見てきたことは確かなのですが・・・・
この間、わかったことはいろいろあります。
それは
「顧問契約については、すべての顧客が『結びたくない、結ばなくて済むものなら・・・』と、考えている訳ではない、」
ということがまずあるのです。
事業を運営している上で、必要なサポートである、という点にはある程度の理解は得られているようです。
とはいえ、「頼りにしたいけど積極的には・・・どうも・・」
とか、
「とっつきにくいけど、まあこんなものなんだろうから・・・」
とか、完全に信頼感や親しみをもって接してくれている訳でもなさそうでもあります。
こういった、中途半端な歯がゆさみたいなものは、いったいどこからきているのでしょうか。
それには、顧客側というよりも税理士側に大いに問題があるということがわかったのです。
どういうことかといえば、こちら側が設定している、「専門性の限定」といったことがあるように思います。
言うまでもないことだが日本は自主申告制度の上に成り立っています。
納税者は自分の納税額を自分で計算して納めなくてはいけないのです。
考えてみればこんな制度は、識字率が高く、ある程度の計算ができて、尚且つ正直を是とする奇跡のような教育水準と国民性が両立しなければ成り立ちません。
とはいっても、日本の労働人口の大半を占める給与所得者は、所属する企業なり役所なりの組織の方で計算してくれるので、自らはそれほど税務の知識を必要としないのです。
つづく
今日の川柳コーナー
自粛のあおりを受けて
◆交際費 減ったはいいけど 客も減り
◆たまに飲み 行けば歓迎 昔より