突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅱ
[中間管理職の責務は部下や組織を管理すること]
これまで述べてきましたように管理と経営の違いはいろいろあると思います。
そんな中、世の中によくある誤解は、先述したように「管理」を「経営」そのものだと思っていることではないでしょうか。
仕事の現場としての組織にある程度の規模や型ができてきたときに、「管理することが経営」と誤解する経営者が出てくるのではないかと思います。
トップが、この考え方に固まってしまったら、おそらく組織の発展成長は難しくなるでしょう。
組織編成上の一つの方法論としては、経営者の下に「中間管理職」を儲けることになります。
中間管理職の責務はその名の通り、部下や下部組織を管理することに軸足を置きます。
大企業では、この中間管理職についてもさらに階層がわかれているのでしょうが、中小企業の場合はそのすぐ上は経営者ということになります。
小さな組織ながらも、経営者のポジションに就いたならば、内向きの権限の大半は中間管理職に委譲して、眼を大きく外に向けるべきだと思います。
私は、ここの切り替えがうまくできていない中小零細企業のオーナー経営者を多く見てきました。
経営者はしかるべき時期、この「切り替え」に向かってのルール作りを検討することになるのではないでしょうか。
更に組織が大きくなってくれば、「管理」に関してよりきちんとしたルールの整備など、取り組まなければならないより難しい課題が出てきます。
しかし、経営者にとってそれ以上に重要なのは、「経営」という視点で、自社の全体像を「俯瞰」し続けられるかどうかです。
管理と経営、経営者は考えてみるべき課題だと思います。
管理することが経営ではありません。
おしまい