したたかな人生、祖母の思ひ出―この人だけは敵に回したくないと思わせる人―Ⅰ
定年は人生の黄昏れ?
[一刻も早く定年を迎えて仕事から解放されたい!!]
このコラムでは、ときどき新聞の「人生相談」の欄から、その日書くテーマを取り上げています。
そんな中、先日、面白いというか「へぇー!?!」と思わされるものがあったので、軽く取り上げてみたいと思います。
これまで見てきて、人生相談のコーナーは、女性の方がかなり多かったような気がしますが、今回の相談者は男性です。
コーナーのタイトルは「定年退職後は働きたくない」というものでした。
相談は、次のような書き出しで始まります。
―50代後半の男性。定年退職後も働き続けるという考え方が理解できません。
最近は、60歳を超えても再雇用などで当然のように働き続ける人が増えました。
それが普通になりつつありますが、私は
「一刻も早く定年を迎えて仕事から解放されたい。60歳になったら働かないでのんびり過ごしたい。」
と思っています。―
新聞では、毎日いろいろな人生相談が寄せられていますが、そんな中、この相談を取り上げようと思ったのは、まず、最初の上記の書き出しに「へぇー!?!・・・」と眼を引かれたからです。
世の中には
「定年が待ち遠しい。早く仕事から解放されたい。」
と考える人は、結構いるのだろう、と思います。
しかし、この冒頭の主張を見ていて、他人が働き続けるというのを非難というか、否定する人は珍しいな、と思いました。
この人の場合「一刻も早く・・・」という表現に、今の仕事がよほど嫌なんだろうな、と推察できます。
逆に私などは
「60歳くらいから引退して、そんなに長くのんびり過ごせるものだろうか?」
と考えてしまいますが。
まあ「それ(60歳で引退)が当然。」と、心待ちにしながら生きてきたにもかかわらず、世の中の風潮が自分の思いとは裏腹に動き始めていることに、この男性は少し焦りを覚え始めているのでしょうか。
なんだか八つ当たりのようにも見えますが、彼の主張をもう少し読み進めてみたい、と思います。
つづく