次の新しい一手は何だろうと常に考えてきた―ビジネスモデルの革新について考える―Ⅰ
[「商売」というものの【産業構造】が変わった]
2017年、アメリカの小売業界では、店舗の閉店という大きな変化が起きている、との社会現象が紹介されていました。
その記事を読んで、書き始めた今回のコラム。
さて、この店舗を中心とした小売業については、私もこれ以前自分の著書で触れたことがありました。
その小売業の基本的な形態が大きく変わっていくだろう、ということを私なりの観点で書いたものです。
以下、その箇所について若干加筆して引用してみたいと思います。(「小さな会社のマーケティング活用術」第1章P30~P31 TKC出版)
―「商売」というものの【産業構造】が変わったのです。
モノを仕入れて、或いはモノを作って「さあどうぞ。」と並べておくだけで成立していたものが、確実に立ち行かなくなってしまったのです。
今はただモノを並べておくだけでは顧客の「購入」という行為にまでつながることはありません。
特に地方においては
「ある定点に店舗を構え、そこで外部から訪れる客を待ち、その客に店側が予め取り揃えておいた商品を提示し、その商品の範囲の中から選ばせて、購入させる」
というビジネスモデルでは立ち行かなくなりました。
しかし、或る意味これは驚くべき事実であります。
「商売にそのやり方以外、どんな方法があるというのだ!それしかないじゃないか!」
という声が聞こえてきそうです。
そもそも「商売」は、定点に店を構えるというこの方法で営々と営まれてきました。(中略)
この基本的かつ営々と営んできた仕事のモデル(つまり「商売」)の見直しを図る、という必要性が出てきたのだとしたら、従来のやり方で成功してきた経営者にはとてもにわかには受け入れがたいだろうと思います。―
これは、地方における「商売」の現状を、私がつぶさに観察し書いたものでした。
この小売店舗のあり方は、日本もアメリカもそれほど変わらなかったことになります。
つづく