世間は社長に興味津々なのです!―専門性を伝えることの大切さ、メディアで初めて知った伝統職人の世界―
[顧客の事情やニーズに配慮して土俵を変える]
どちらの土俵で相撲を取るかという中で、3番目の「相手の土俵で自分の相撲を取る。」という選択肢はあまり考えられなかったのが税理士の世界。
これまで、ひたすらこちらの土俵で相撲を取ることしか頭になかったのが我々の業界の考え方だったのではないでしょうか。
それは「税務顧問」の対象顧客数が右肩上がりで、顧問報酬もそれなりにいただけていた時代がかなり長く続いたからです。
その時代、税務会計の専門性一本で食ってこられたのが我々の業界のあり方でした。
この頃は、顧客の事情やニーズに配慮して土俵を変えることなど、はなっから考える必要もなかったわけです。
しかしながら、我々を取り巻く時代背景が随分変わってきました。
今突きつけられている課題や問題の本質を考えた場合、ここで重要なのは、土俵を巡る「駆け引き」ではなく「線引き」なのです。
一発勝負の取引や交渉事であれば「駆け引き」が重要なファクターになるでしょう。
しかし、我々がベースとしている「顧問契約」というのは、予め長いお付き合いを前提とした特殊な関係です。
そのお付き合いにおけるお客さんの問題解決となれば、かなり譲歩した「線引き」も認めなければなりません。
しかもこの「譲歩」は後退と捉える必要はなく、むしろ前進といえるでしょう。
また我々の成長であることも間違いのない事実です。
これからの時代、そんな新しい関係性も、したたかに受け入れていかなければ、我々の存在意義はないのです。
「線引き」を決めなければ・・・・
つづく