突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅱ
[日本中が「売り手市場」だった]
以前、イタリアのヴェニスが観光客の入込制限を検討し始めている、という記事が新聞に掲載されていたことがあります。
あまりの観光客の多さに、もともと地元に住んでいる人たちが悲鳴をあげているというのです。
日常生活にも支障をきたしているために、行政に対して入込客数の制限を要請している、と書いてありました。
ちょうど同じ頃、同様の現象が京都でも起きていました。
「京都・祇園の桜ライトアップ中止」という記事がやはり新聞で紹介されていたのです。
観光客の急増で地元が対処できなくなってきた、といった内容でした。
旅行は一つの贅沢だと思うのですが、それを楽しむことができる層が日本でも世界的にも増えているということなのでしょう。
ところが、その人たちが有名観光地に集中し過ぎて、現地では対応できなくなってきた、というお話です。
有名観光地は今や大変な売り手市場なのでしょう。
さて、「売り手市場」といえば、かつて日本中が「売り手市場」だった時代がありました。
私は、多くの経営者からそんな話を聞きました。
といっても、ほぼ70代以上の年配経営者のお話です。
例えば、車が急激に増えて、日本中にどんどん普及していった頃、車関係の仕事は完全な売り手市場でした。
徹夜で運転して仕入れてきたオンボロ中古車を、翌日には高値で売りさばいて儲かったという話や、修理の受注が多くてさばききれなかったといった話はよく聞きました。
鹿児島も観光地ですが・・・・
つづく