ただ怠けて手をつけていないだけ・・・―目の前に突きつけられているテーマに経営者はどう向き合うべきなのか―Ⅴ
[必要なのは、おカネを継続的に生みだすエンジン]
木下 斉(きのした ひとし)という人のコラムを、インターネットのニュースランなどで目にすることが多くなったので取り上げてみたいと思います。
彼の肩書は「まちビジネス事業家」となっており、地方の抱える問題やその要因について、いつも鋭い切り口で取り上げています。
私も何度かこのブログで、彼の指摘を参考にした文章を書かせてもらったことがあります。
コラムという形で掲載されていますが、地方衰退の原因についての彼の指摘は明確かつ的確です。
おそらく、これまで余程いろいろな形で、地方の抱える問題やその解決方法について関わってきたのだろう、と推察されるのです。
私も田舎に帰ってきて22年、常に地域の活性化や振興については課題としてきましたので、共感するところも多いのです。
地方の活性化について、私の考えるところとすり合わせて彼の指摘を引用しながら考察してみようと思います。
まず
なぜ地方は補助金をもらっても衰退するのか―地方創生に必要なのは、「おカネ」ではない―
というタイトルのコラムを取り上げてみたいと思います。
彼はこの中で「補助金」の持つ問題点、弱点を明確に指摘しています。
―なぜ補助金をもらうと、地方に活力が生まれないのでしょうか。(中略)
タダでおカネをもらえれば活性化しそうなものですが、ズバリ、地方創生に必要なのは「おカネそのもの」ではなく、「おカネを継続的に生み出すエンジン」なのです。―
私は、地方でこの仕事(税理士事務所経営)をやっていて、これまで様々な補助金を目の当たりにしてきました。
そして、時には関わってきましたが、それが有効かつ継続的に地域経済に貢献した、という事例は見たことがありません。
それは木下氏の指摘のように、地方に必要だったのは「おカネ」そのものではなかったからにほかなりません。
美しい景色は地方の財産だが・・・
つづく