必然的に多彩な人材が増えていく―「管理」と「経営」その違いについて考える―Ⅳ
[原価と売上に手を付ける]
経営改善策、経費の削減について一通り考えたならば、次は原価がどうにかならないものか、思案することになります。
「あそこの仕入れ先を叩いてみるか。いやいや、下手なことをしてへそを曲げられたら結構厄介だぞ・・」
相手のあることなので、そう簡単にはいかないのは言うまでもありません。
「とはいえ、こっちは金を払う立場だ。ちょっと強引にねじ込んでみるか・・」
社長はさらに考えることになります。
「待てよ。在庫管理の費用もバカにならないぞ。ネット販売をまめに利用してみるか。仕入れとしては、ちょっと割高になるが保管費用よりマシかも知れない。」
考えてみればいろいろとアイディアは出てくるはずです。
出す方の金はできるだけ絞りたいのが人情です。
この原価削減の努力というのは、絞ったら絞った分だけ直接利益に跳ね返るために、比較的分かり易いのです。
さて、一番厄介なのは
「売上をどうやって上げるか。」
ということになります。
そもそも今の業績不振の原因は、売上が落ち込んできたからにほかなりません。
根本的には、こいつを回復させないことには始まらないのです。
売上の増大を、根拠をもって経営に反映させることは難しい、といえましょう。
何故ならば、経費や原価の削減と違い、不確定要素が大きいからです。
「売上」の世界が、経費や減価の世界と違うのは、そもそもその主体がこちらの手の内にない、ということに尽きます。
財布を開いて金を出し、それをこちらに支払ってくれるかどうかは、あくまでも向こう(顧客)の意思にかかっているからです。
うんと考えましょう。
つづく