あらゆるものが端末になる世界―競争はアプリからボットへ―Ⅲ(おしまい)
[「先見性」をもつにはインプットだけでなくアウトプットが必要]
ビジョンを描く能力を備えていないトップが率いる企業は、いとも簡単にコモディティー化の波に巻き込まれてしまう・・・・・と、著者の小林氏は述べておられます。
ここで小林氏の言う「ビジョン」というのは、言葉を変えれば経営者の持つ「先見性」ともいえるのではないでしょうか。
それでは先を見通すことのできる「先見性」というのはどうやったら身につくものなのでしょうか。
それは、私は「情報の収集」と「情報の発信」の両方にあると考えています。
あくまでも収集(インプット)だけではなく、発信(アウトピット)とペアでなくてはならないのです。
我々は、通常「先見性」を得るために様々な情報をインプットします。
普通は、これを真面目に行なうことで、ある程度の先見性は手にすることができると考えます。
しかし、本当の意味での「先見性」を手に入れるためには、インプットだけでなくアウトプットが必要なのです。
というのは、情報は取り込んだだけでは、まだ不十分だからです。
取り込んだ情報は、自分なりの見解を加えて再び発信するという行為を行なうことで、そのプロセスにおいてよりしっかりと咀嚼されるのです。
そして、発信された情報を第3者の目に触れさせることで、その情報の選択や解釈、期待が妥当なものであったか否か判定されるのです。
中小企業の場合、マーケティングリサーチなどに費用や手間をかけることは難しいといえましょう。
しかしながら、ネットを駆使した情報発信を日常的に行なっていれば、SNS等には双方向性の機能があるために、ある程度の反響は見ることが可能なのです。
自社をブランド力のある企業に育て上げるためには、トップは「先見性」即ちビジョンを持ち、様々なメディアを駆使した情報発信を怠りなく続けることは欠かせない条件といえましょう。
つまり、これからを生きる経営者にとって情報発信力を持つことは、必要不可欠な資質として位置付けられるのです。
FMラジオのスタジオにて。
何故かサングラス?!?
おしまい