あらゆるものが端末になる世界―競争はアプリからボットへ―Ⅲ(おしまい)
[大企業や中小企業といった垣根は存在しないメディア戦略の世界]
さて、今回のコラムは「企業のメディア化戦略とブランディング」というタイトルでここまで書いてきました。
最後にそのメディアとブランディングの関係について触れておきたいと思います。
これまで述べてきたマーケティングとメディア、ブランドについての関係性について小林氏は次のように書いています。
― 誰でもあらゆる素材を入手でき、安価にアセンブルできるこの時代において、このビジョンを描く能力を備えていないトップが率いる企業は、いとも簡単にコモディティー化の波に巻き込まれてしまうのではないでしょうか。(中略)
メディアが作り手の思想を色濃く反映したものならば、企業メディアもトップのビジョンを反映したものとなります。
トップのビジョンとそれを支柱とした躍動感に満ちた組織がメディア化戦略を駆使したとき、素晴らしい効果を発揮し、その市場において強力なブランドを形成できるものと確信しています。―
これがまさに今、私が自らのテーマとして顧客への普及を目論んでいる「企業のメディア戦略」の結論のようなものになります。
結論はいたってシンプルです。
必要なのは「トップの明確なビジョン」と「それを発信し続けるメディア戦略」の二つと言いきっています。
大企業は大企業のレベルで、中小企業は中小企業のレベルで、このメディア戦略に向き合えばいいと思っているのです。
特にSNSを中心としたパーソナルメディアの領域では、もはや大企業や中小企業といった垣根は存在しません。
いくらでも情報発信の機会はあるのです。
トップはビジョンを必死で考える。
つづく