自動化はいつになるのか―競争はアプリからボットへ―Ⅱ
[なぜ、企業はソーシャルメディアに取り組む必要があるのか?]
私は、仕事柄、様々なビジネス書を読みます。
経営やマーケティングの書籍が多いのですが、最近読んだ中では「メディア化する企業はなぜ強いのか?」(小林弘人著 技術評論社)という本が、特に勉強になり面白かったので紹介します。
これは近年の企業におけるメディア戦略について詳しく書かれており、中でも新しい世界であるソーシャルメディアへの取り組み方、利用法について細かい解説が成されています。
私など、どちらかといえば弱い世界なので、読んでいて今後の販売促進戦略などを考える上で大いに参考になりました。
私はビジネス書を読むときは、赤のボールペンか目立つ色のマーカーを持つことにしています。
気になる箇所には、バンバン赤線かそのマーカーの線を引いていくのです。
この「メディア化する企業はなぜ強いのか?」という本は、その赤線が最近読んだ中では際立って多かったところを見ても、いかにいろいろと参考になったか、ということです。
さて、その中で近年の私のテーマである「企業のメディア戦略」について気になる項目が書かれていたので、取り上げてみたいと思います。
ソーシャルメディアへの取り組みについて特に書かれた部分になります。
なぜ、企業がソーシャルメディアに取り組まねばならないか?(「メディア化する企業はなぜ強いのか?」P171)
― なぜ、企業はソーシャルメディアに取り組む必要があるのでしょうか?
それはひと言でいえば、これまでのようにお金を払いさえすれば、宣伝する広告の内容を満足いくようにコントロールできた従来メディアとは違い、ソーシャルメディアはコントロール不可能だからです。―
これは極めて重要な一文です。
従来、お金とメディア戦略はその量と効果が比例していました。
それが必ずしも一致しない世界になってきたことを言わんとしています。
さらに続きます。
― 残念ながら、コントロールについての主導権は企業側にありません。
それがユーザーに譲渡されてしまったのがソーシャルメディアと言えます。(中略)
なぜなら、そのメディア圏はコントロールできないからです。
そして、コントロールされたものでないがゆえ、マスメディアが並べる言葉よりも、信頼する友人が勧める言葉のほうが重視されます。―
ここがまさに、かけたお金と広告効果が比例する世界からの離脱現象といえましょう。
とはいえ、マスメディアの持つ分母の大きさにそうやすやすと勝てるとは思えません。
私などは、やはり数の大きさで勝てないのではないか、と思ってしまいます。
マスメディアはまだ健在か・・
つづく